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 参院選を受けた臨時国会がきのう召集された。衆参両院で与党が過半数を占める勢力図は変わらないが、参院の議場には変化の兆しが見られた。

 重い身体障害があるれいわ新選組の新人議員2人が、介助者に付き添われ、大型車いすで初登院した。2人を迎えるため、議席を改修し、議事堂の中央玄関に仮設のスロープを設けた。正副議長の記名投票では、介助者が代筆した票が投じられた。

 懸案だった議員活動中の介助費は、当面参院が負担すると決まった。現行制度では通勤や仕事中の介助費は経済活動とみなされ、公的補助の対象とならない。障害者の就労を妨げる制度の矛盾が指摘されてきた。

 今回の対応を国会議員だけの特別扱いに終わらせず、制度全体を変えていく議論の始まりにしなければならない。

 女性の参院議員は非改選組と合わせ最多の56人となり、山東昭子氏が議長に就いた。参院で女性議長は2人目だ。とはいえ定数に占める割合は約2割で、国際社会に後れをとっている。

 政治分野の男女均等を実現する仕組みや選択的夫婦別姓制度の導入など、女性の活躍を支えるために踏み込んだ法整備の議論が必要だ。女性議員は超党派で旗振り役を担ってほしい。

 同性愛者を公表し、性的少数者(LGBT)の権利保障などを訴えた立憲民主党の新人も登院した。LGBT支援では同性パートナーシップ制度など自治体の取り組みが先行している。参院選では複数の党が同性婚の法制化を公約に掲げており、国会でも議論を深めるべきだ。

 さまざまな困難を抱える当事者が加わり、社会の多様性を反映するのは国会のあるべき姿である。特に参院は数の論理にとらわれず、「良識の府」としての機能を発揮してほしい。

 野党は参院選で1人区を中心に共闘し、一定の成果を上げた。だが、政策の不一致や主導権争いも目立ち、安倍政権に不満を持つ有権者の受け皿にはなり得なかった。

 与野党の論戦が本格化する秋の臨時国会に向け、安倍政権への対抗軸を立て直さねばならない。少数派を国会に送り出した民意に向き合い、野党の役割を見つめ直す必要がある。

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