社説

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 身に覚えのない請求が電話や電子メールで舞い込む「架空請求」が急増している。改めて注意が必要だ。

 今年の消費者白書によると、2018年に全国の消費生活センターなどに寄せられた相談は101万8千件に上り、11年ぶりに100万件を超えた。

 このうち4分の1に当たる約26万件が振り込め詐欺などの架空請求に関するもので、前年より約10万件も増えた。中でも、はがきを送りつける手口が倍増し、巧妙化している。

 「貴方の利用されていた契約会社、ないしは運営会社から契約不履行の訴状が提出されました」「連絡がない場合は、給料、動産、不動産の差し押さえを履行させていただきます」

 架空請求の文面の典型例である。もし受け取っても慌てず、無視するに限る。

 「地方裁判所管理局」や「法務省管轄支局 国民訴訟通達センター」などと実在しない機関をかたる例が多い。旅券などにあしらわれている「桐花紋(とうかもん)」に似た紋章を印刷し、もっともらしく見せたものもあった。

 自分の携帯電話番号が記された架空請求が届いた例もある。それも相手にしてはいけない。怪しいと思ったら家族や近所の人に相談するか、最寄りの消費生活センターにつながる局番なしの「188」に電話するなどしてほしい。

 はがきによる架空請求の相談は9割が女性からで、ほとんどが50歳以上だった。短期間に特定の地域に集中して送付される傾向があり、白書は「名簿に沿って送っている可能性がある」と指摘する。

 実際、犯罪に使われた名簿が見つかっている。13~17年度に全国の警察が特殊詐欺グループから押収した「標的名簿」に、延べ10万8千人もの兵庫県民が載っていた。兵庫県警によると大半が65歳以上だった。

 狙われているのは高齢者ばかりではない。携帯電話番号を宛先に送受信する「SMS(ショートメッセージサービス)」などによる架空請求の被害は幅広い世代で発生している。

 安易に払えば、新たな請求を受ける恐れがある。心当たりのない請求は相手にしない-。これを胸に刻む必要がある。

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