社説

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 22人の死者・行方不明者を出した兵庫県西・北部豪雨から10年となる。台風接近に伴う記録的な大雨で佐用町や朝来市の河川が氾濫し、約3千戸以上が床上浸水などの被害を受けた。

 被災地では堤防がかさ上げされ、河川監視カメラなど防災情報の機能も強化された。一方で、10年の間には昨年の西日本豪雨のような想定外の災害も発生している。

 繰り返される災害の教訓を元に、命を守る対策の見直しを重ねていかねばならない。

 甚大な被害があった佐用町の水害では避難のあり方が問われた。道路が水没する状況で、夜に避難所に向かう住民が濁流に流された。この災禍から避難困難時に住居の2階にとどまる「垂直避難」が見直された。

 だが、その後も、住宅をのみ込む土石流や、ダムを守るための放流による洪水などが相次いだ。常識を超えた水害の多発に対し、早めの避難とともに、土地ごとの水害危険度を知っておくことの重要性が指摘されるようになった。

 例えば河川の合流点など水没しやすい低い平地や、土石流が頻発する扇状地に造成された新興住宅地などが挙げられる。

 過去の水害の知識や、浸水域や水深を予想した洪水ハザードマップの確認は命を守るための基本だ。避難訓練などで、河川など避難ルート上の注意すべき場所も把握しておきたい。

 避難を判断する基となる災害情報の整備は大きな課題だ。

 気象庁は、雨量や河川水位、土砂災害などの情報の危険度に応じて住民が取るべき行動を5段階で示す制度を、5月から始めた。一方で、自治体はより細かな地域情報を提供する取り組みに力を入れている。

 避難行動を支援するこうした情報を理解した上で、一人一人がどの時点でどう行動するか決めておくことが重要となる。

 災害の軽減には地域防災への意識向上も欠かせない。倒木被害を避けるスギ・ヒノキ人工林の伐採や、人口減少に合わせて危険地域の住宅を減らすことも考えるべきだ。

 気象変動による水害の激化を想定して、災害に強いまちをつくるために地域と自治体が連携を深める必要がある。

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