社説

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 女子ゴルフの渋野日向子(ひなこ)選手が、全英女子オープン優勝という快挙を成し遂げた。日本勢のメジャー勝利は1977年の全米女子プロ選手権での樋口久子さん以来で、2人目だ。

 女子は42年間、男子は過去一度も果たしていないメジャー大会の制覇は、日本のゴルフ界にとって大きな壁となっていた。それを強気と笑顔の若さあふれるプレーで、軽やかに越えてしまった。ゴルフの新しい歴史を切り開いたスターの誕生を、心から喜びたい。

 小気味よい安定したショット、パットとともに、強さを感じさせたのが勝負所での思い切りの良さだった。

 最終日、2打差を追う12番では多くの選手がアイアンで刻む無難な策を取る中、ドライバーで池越えのワンオンを成功させる。最終18番でも安全策を選ばず、勢いのある打球でバーディーを決めて勝利をつかんだ。

 渋野選手は、昨年プロテストに合格し、今季本格的に参戦した日本ツアーで2勝を挙げ急成長していた。とはいえ、メジャーどころか、海外ツアー初挑戦での大偉業達成は、ゴルフ発祥の地・英国のファンも大いに驚かせた。恐れを知らぬ“スマイリングシンデレラ”と海外メディアは称賛した。

 大会中は、観客にハイタッチを繰り返し、おにぎりや駄菓子を無邪気に食べる明るいキャラクターでも人気を集めた。優勝後の会見では「4日間、本当につらかった」「気疲れが半端なかった」と振り返った。メジャーならではの重圧を感じさせない天真らんまんな振る舞いは、頼もしい限りだ。

 日本の女子ゴルフ界は、98年生まれを中心とする渋野選手ら「黄金世代」の若手が席巻している。2017年に現役を引退した宮里藍さんにあこがれ、競い合ってきた。

 今回の快挙で渋野選手は一躍、東京五輪の有力候補に名乗りを上げた。ライバルに刺激を与え、ゴルフ界全体のレベルアップにもつながるだろう。

 注目が一気に高まり、五輪出場への社会の期待も強まるに違いない。そんな環境でもゴルフに集中し、スケールの大きい自然体のプレーでさらなる高みへと進んでほしい。

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