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 韓国政府が輸出管理で優遇措置を取る国のグループから日本を除外すると発表した。日本政府が安全保障上の理由で韓国を「ホワイト国(優遇対象国)」から外すことへの事実上の対抗措置である。

 7月に日本が韓国向け輸出規制の強化に踏み切って以来、日韓関係は悪化の一途をたどっている。元徴用工問題を巡る対応をはじめ、韓国側の対応にも首をかしげることが多い。だが、日本がこぶしを振り上げたままでは事態は収まらない。両国政府は「報復の連鎖」を止める手だてを探らねばならない。

 優遇対象から外れると、韓国が戦略物資に指定する約1700品目の輸出で包括許可が適用されにくくなるほか、個別許可でも審査期間が延びるなど手続きが厳格化される。

 ただ、韓国の先端材料への依存度が低い日本への影響は限定的とされ、文在寅(ムンジェイン)政権による国内世論対策の意味合いが強い。日本側は過剰に反応せず、冷静に動向を見極める必要がある。

 韓国経済は、米中貿易摩擦に日本の輸出規制強化が加わり苦境が予想される。日本も消費税増税を控え、経済の不安要因を減らしたいのが実情だ。

 韓国側は日本から協議の要請があれば応じる方針という。日本から対話の道を閉ざす必要はない。冷静に両国経済の利害の一致点を探るべきだ。

 日本政府は先週、韓国向け輸出規制の対象とした半導体材料の一部契約を許可したと発表した。個別案件で輸出の可否を公表するのは異例だ。

 手続きを踏めば許可するのだから世界貿易機関(WTO)が禁じる輸出制限にあたらない-。そうアピールして国際社会の批判をかわす狙いだろう。

 だが政府の恣意(しい)的判断が入る点は変わらず、他の審査も同様に進むとは限らない。相互に優遇国と認め合ってきたことが両国間の貿易を活発にしてきた経緯を思い起こしたい。

 韓国内では日本製品の不買運動が起き、草の根の日韓交流事業の中止も相次いでいる。政治的な対立はあっても、経済や文化には影響させない。そうした隣国関係に深刻な亀裂が入りかねない局面にあることを、両国の首脳は直視するべきだ。

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