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 中国が4年ぶりに国防白書を発表した。前回に比べ、米国に対抗する姿勢を鮮明にしているのが特徴である。

 米国が先行する宇宙・サイバー分野の強化方針を示した。グアムの米軍基地を射程に収める中距離弾道ミサイルが配備済みであることも強調する。軍事費の大幅増により「世界の安定を損ねている」と名指しで米国批判を展開している。

 経済分野だけでなく、安全保障面でも米国との対立が深刻化していることが改めて浮き彫りになったと言える。

 ただ、中国の振る舞いも地域の緊張を高める結果となっている。国際的な軍拡競争の要因になっていることを自覚し、自らの姿勢を改めるべきだ。

 白書では、台湾に対して「武力行使を放棄しない」と改めて言及した。南シナ海の諸島と沖縄県・尖閣諸島については「中国固有の領土」と明記した。

 中国軍は6月末ごろ、南シナ海で史上初めてとみられるミサイルの発射実験に踏み切っている。挑発的で危険な振る舞いと言わざるを得ない。

 習近平指導部は、今世紀半ばまでに「世界一流の軍隊」をつくるという目標を掲げている。一方で、「覇権は永遠にとなえない」としてきた。今回の白書を見る限り、この言葉をそのまま受け取ることはできない。

 中国脅威論を拭い去ろうと、国防費については「公開性、透明性があり、支出の水準も合理的で適度なものだ」と正当化した。だが、その内訳をほとんど説明していない。

 19年予算案には前年比7・5%増の約1兆1900億元(約18兆円)を計上し、日本の4倍近い。米国に次ぐ世界第2位の防衛費を持つ大国の責務として詳細な説明が求められる。

 気掛かりなのが、ロシアとの軍事協力強化の方針である。中ロは米軍の影響力排除を図る戦略で一致しており、先日、両国の空軍機が日本海と東シナ海の上空で初の合同パトロールを実施したのはその一環とみられる。尖閣諸島周辺の中国艦船の動きも注視する必要がある。

 国際社会は、威圧的な行動を自制し、軍拡路線を転換するよう、中国への働き掛けを続けなくてはならない。

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