社説

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 先週は台風10号が西日本を縦断し、多くの人が旅行や仕事の日程変更を強いられた。中でも15日に鉄道各社が実施した計画運休は、山陽新幹線のほぼ全線が終日ストップするなど広範囲におよび、JR西日本だけで約20万人に影響が出た。

 計画運休は不測の事態を避けるため、過去の台風シーズンにも実施されている。しかしお盆のUターンラッシュという多客期は今回が初めてだ。大きな混乱に至らなかったのは、JR各社の早めの周知が利用者に一定の理解を得た結果だろう。

 台風シーズンはこれから本番を迎える。利用者への影響を軽減できるよう、告知の手法や運休のあり方などがさらに改善できないか、検証してほしい。

 昨年9月にJR東日本が首都圏で実施した計画運休は、発表から運休まで8時間しかなく、職場から帰れない帰宅難民を生むなど大混乱を招いた。その反省から国土交通省は今年7月、48時間前には計画運休の可能性を公表するよう求めていた。

 今回、JR西日本が新幹線運休を公表したのは前日14日の午前11時ごろだが、11日にはすでにツイッターで運休の可能性を示唆していた。早めに予告があれば、利用者も日程変更などで備えられる。

 ただ、結果的に私鉄各社が運行を続けたことで混乱が回避された側面もある。今後は気象予測の精度を高め、運休の範囲をできるだけ絞り込むなど柔軟な対応も検討すべきだ。

 一方、訪日観光客の増加に対応して、外国人への情報伝達も強化が不可欠になる。

 JR西日本はツイッターで英語、中国語、韓国語の運行情報を発信しているが、運休を知らない外国人利用客もいた。外国人専用の窓口を設けるなどの対策も必要だ。

 今回は台風の接近に伴い、JRの計画運休に加えて百貨店や娯楽施設なども臨時休業に踏み切った。書き入れ時だけに判断に苦慮した事業者もあっただろう。それでも安全を優先すべきとの意識が、社会全体に浸透しつつある証しと言える。

 計画運休が見込まれる場合に業務継続や従業員の通勤をどうするかについても、多くの企業で対応を考えておきたい。

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