社説

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 経済産業省が再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)の見直しを進めている。有識者委員会は、設置費用が低下する大規模太陽光や風力を将来的に対象から外す方針案を了承した。2020年の通常国会で法改正を目指す。

 FITは12年に始まり、東日本大震災と福島原発事故で期待が高まった再エネの普及拡大に貢献した。だが消費者負担に直結する買い取り費用が19年度で年3・6兆円に達する上、他の電源よりも導入しやすい太陽光発電に比重が偏るなど、制度見直しが求められていた。

 一方で、再エネへの投資が集中する欧州各国に比べれば、まだまだ普及は遅れている。政策転換で再エネ導入の勢いをしぼませてはならない。電源ごとにきめ細かな普及策を講じることが必要だ。

 ひとくくりに再生可能エネルギーと呼ぶが、電源によって特徴も異なる。

 間伐材などを燃料とする木質バイオマス発電は、地域の環境に大きく関わる。手入れ不足で水害の原因となっている森林の状況を改善する手段となる。

 農業や食品産業からの有機物のゴミを発酵させるバイオガス事業も同様に、循環型社会への転換の原動力となる。

 経産省案は、これらの電源と住宅などの小規模な太陽光を「地域電源」と位置づけ、現行のFITを当面維持するとした。災害に強い分散型エネルギーとしての価値を評価して、防災面からも積極的に後押ししたい。

 大規模太陽光や風力は世界の再エネ拡大をけん引している。日本でも主力電源化するには、電力会社の送電網を十分開放する対応が必要だ。

 送電線の容量を確保しながら、放置している業者の存在も問題視されている。そうした課題を解決しつつ、稼働していない原発の送電枠も活用することや、利用料引き下げなどに真剣に取り組まねばならない。

 FITに頼らない再エネ支援策づくりには、この7年に地域や企業が得た経験を生かす発想が欠かせない。普及を妨げるさまざまな要因を取り除くとともに、日本の課題である地域主体のエネルギー事業を育むための方策に力を入れるべきだ。

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