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 働く女性が初めて3千万人を超えた。総務省の6月の労働力調査によると、男性は前月より7万人増の3744万人だったが、女性は53万人増えて3003万人になった。

 中でも、フルタイムの女性就労者が増えた。人手不足で企業が女性を積極的に採用するようになったことが大きい。夫の収入が伸び悩み、働きに出る女性も多かったようだ。

 注目したいのは、働く子育て世代の女性が着実に増えている点である。

 この世代の就業率は2009年に60%台だったが、25~34歳で78・1%、35~44歳で77・8%に上昇した。30~40代の就業率が前後の世代より落ち込む「M字カーブ」は、緩やかながら解消しつつある。

 しかし、キャリアを積み重ね、力を発揮できる環境は十分に整っているだろうか。

 数が増えたとはいえ、女性雇用者の55%は非正規だ。男性の非正規率23%の倍近くに上る。女性が「雇用の調整弁」になっている側面は否定できない。

 「子どもが小さいうちは育児を優先したい」などと仕事を辞める人もいるだろう。ところが再就職は簡単ではない。正規採用を希望しながら不本意に非正規で働く女性は、18年時点で129万人に上る。男性より2万人も多い。

 企業で働き続けても、管理職に就いている女性の割合は18年で14・9%にとどまっている。上場企業の役員に限れば4・1%だ。いずれも欧米や東南アジアの国々に遠く及ばない。

 家庭に目を転じれば、女性が家事や育児に費やす時間は日本が際立って長い。男性が育児を担おうとしても、職場の理解が得られない場合もある。実際、育児休業を取った男性が嫌がらせを受けた事例があった。

 性別にかかわらず、仕事と私生活が両立しやすい環境整備を急ぐべきだ。女性に「仕事も家事も育児も」と頑張らせれば、少子化はますます進む。

 内閣府の16年調査で「子どもができても女性は働き続ける方がよい」と答えた20代が、男女とも初めて半数を超えた。若者の意識は確実に変わり始めた。対応が遅れれば、企業や国の競争力をそぐことになる。

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