社説

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 フランス南西部ビアリッツで開かれていた先進7カ国首脳会議(G7サミット)が3日間の日程を終え、閉幕した。

 今回、45年近くに及ぶサミットの歴史上、初めて包括的な首脳宣言の採択が見送られた。代わって首脳間の合意を簡潔にまとめた文書が発表されたが、地球温暖化対策に触れていないなど限定的な内容にとどまった。

 G7として力強いメッセージを打ち出せたとは言えず、物足りなさが否めない。民主主義などの価値観を共有し、世界をけん引すべき国々が、十分な影響力を示せなかったのは残念だ。

 G7は内部に亀裂が広がり、限界を露呈している印象だ。構成国が協力し、立て直しに努力する必要がある。

 かき回しているのは、「自国第一主義」を掲げるトランプ米大統領だ。昨年のカナダでのG7では、首脳宣言への支持を突然取り下げた。今年も「G7は非生産的だ」と周囲に不満を漏らしていたという。

 今回、議長を務めたマクロン仏大統領は、事前調整を経てつくる包括的な首脳宣言を早々に断念した。自由貿易などでのトランプ氏と他国の溝の大きさを考慮したためだ。会議を決裂させない苦肉の策と言える。

 結束を乱す振る舞いは、中国やロシア、北朝鮮を利することになる。トランプ氏はその点を認識し、G7軽視の態度を改めるべきだ。

 G7が機能不全に陥った責任の一端は日本にもある。安倍晋三首相は、トランプ氏との親密さを強調する一方、面と向かって批判することを避けているように映る。米国に国際協調の枠組みに戻るよう促すべき立場にもかかわらず、過度に同調しているように思えてならない。

 次回のG7の議長国は米国が担当する。トランプ氏は、そこにロシアのプーチン大統領を招待する考えを示した。ロシアがG8から外された原因となったクリミア半島の強制編入問題は解決しておらず、早くも足並みの乱れが危惧される。

 国際協調に後ろ向きのトランプ氏の強硬姿勢が今後もまかり通れば、G7の崩壊につながりかねない。首相は、考えを改めるよう粘り強く説得し続けなければならない。

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