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 自民党の上野宏史厚生労働政務官が外国人労働者の在留資格を巡る週刊誌の口利き疑惑報道を受け、政務官を辞任した。

 週刊文春の報道によると、上野氏側は、東京都内の人材派遣会社が申請した187人分の在留資格が速やかに認められるよう法務省に問い合わせ、見返りに同社から金銭を得ようとしたとされる。

 事実なら、政治家が影響力を行使して公務員に口利きをし、その報酬を受け取る行為を禁じるあっせん利得処罰法違反に問われる恐れがある。

 上野氏は「違法な口利きの事実はない」と否定するコメントを出しただけで、報道後、厚労省にも登庁していない。

 辞任したからといって、生じた誤解や不信が解消するわけではない。上野氏は記者会見して事実関係を明らかにし、国民への説明責任を果たすべきだ。

 週刊文春は、秘書との会話とされる音声記録も公開した。「うちが(人材派遣会社から)お金をもらう案件になっている」と指示する声や、「あっせん利得になる」と指摘されて激高する声などが残っていた。

 外国人労働者の受け入れ拡大に伴い、厚労省は悪質な仲介業者の監視や排除などを所管する。上野氏は技能実習のあり方を検討する省内のチームでトップを務め、業界団体や地域の要望を聞く立場にあった。

 監督官庁の政務官という立場にありながら、業者から利益を得ようとしていたとすれば悪質だ。議員辞職も避けられない問題に発展する可能性がある。

 そうなる前に事態の沈静化を図ろうというのか、安倍晋三首相は早々に政務官辞任を認め、後任人事は9月に予定する内閣改造まで先送りした。

 安倍政権では政務三役の辞任が相次ぐ。先の通常国会中にも桜田義孝前五輪相、塚田一郎元国土交通副大臣が失言で辞任に追い込まれたばかりだ。

 首相の通算在任日数は佐藤栄作元首相の2798日を超え戦後最長となった。長期政権のおごりが自民党内にまん延していると言わざるを得ない。

 安倍首相の任命責任は重大だ。首相は上野氏に説明を促すとともに、自ら襟を正し、政権を引き締め直さねばならない。

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