社説

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 アフリカの経済発展をテーマに横浜で開かれていた「アフリカ開発会議」が閉幕した。安倍晋三首相は、日本からの民間投資が今後3年で2兆円超となるよう支援すると表明した。

 首相が意識するのは中国だ。「一帯一路」構想の一角にアフリカを位置づけ、開発事業と引き換えに相手国に巨額の債務を負わせて、影響力を高めているとされる。

 日本は、アフリカで暮らす人々の生活を向上させ、自主的な発展を支える道を模索すべきだ。資金力で存在感を高めるのではなく、各国から評価される支援のあり方を探りたい。

 近年のアフリカの成長率は世界全体を大きく上回り、「最後の市場」として注目を集める。日系企業の拠点数は十数年で倍増したが、海外勢には後れを取っている。

 生活インフラが未発達で貧富の差が大きいなど、多くの国々では成長の果実が国民全体に行き渡っていない。日本はそこに支援の力点を置くべきだ。

 すでに害虫駆除の塗料や避雷機器、保健医療などで兵庫や大阪の企業が実績を上げている。現地の実情に即した課題解決型の投資が求められる。

 そのためにはアフリカ各国が、治安の悪さを解消し、法律運用の透明性を高めるなど、ビジネス環境をさらに整える必要がある。こうした点にも日本の支援は有効だろう。

 首相はアフリカの産業振興に向け、6年で3千人の人材を育成する方針を示した。保険レベルを向上させ、300万人が新たに基礎医療の恩恵を受けられるようにするとも述べた。

 成長軌道に乗ったとはいえ、投資ではなく援助が求められる分野も山積する。その点に対しても十分な目配りが要る。

 アフリカ開発会議は7回目を数える。日本主導で1993年に始まった。地理的に遠く、植民地支配などの歴史的関係もない日本がアフリカ開発に注力することは、国際社会から一定の評価を受けている。

 官民で3兆円規模の投資を掲げた前回2016年と比べ、投資額は縮小した。しかし「自国第一」が横行する中で、持続的な発展に貢献することは、日本外交の資産となるはずだ。

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