社説

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 たばこの煙による健康被害を防ぐ取り組みが強化されて2カ月が過ぎた。

 官公庁や学校、病院、高齢者施設などは屋内、屋外ともに敷地内は原則禁煙となった。改正健康増進法と兵庫県の改正受動喫煙防止条例が7月に一部施行されたためである。

 県の条例は法律より一歩踏み込み、私的な空間も規制の対象にした。20歳未満の子どもや妊婦がいる家庭と自家用車内での禁煙を義務付けた。

 世界最低水準と批判されてきた日本の受動喫煙防止対策が、わずかながら前進した。

 国内では受動喫煙が原因の病気で年間1万5千人が亡くなっているという推計がある。子どもへの影響は大人より深刻とされる。受動喫煙の根絶のために一層の努力が必要だ。

 しかし旗振り役となるべき官公庁の対応は、甘いというほかない。

 改正法も県条例も、利用者が通常立ち入らず、区画された場所であるなどの要件を満たせば屋外喫煙所の設置を認めている。あくまで例外扱いであるにもかかわらず、大半の中央省庁、道府県が庁舎敷地内に屋外喫煙所を設けているのが現状だ。

 兵庫県は2012年、全国で2番目に受動喫煙防止条例を制定した。いわば先進県だが、条例改正前の今年6月末に13カ所だった県庁の屋外喫煙所は、現在も10カ所が残る。「敷地内禁煙にすれば周辺の歩きたばこやポイ捨てが心配」「来客が多いため」と担当部署は説明する。

 こうした消極姿勢に対し、がん患者団体から「率先して対策に取り組むべき行政がこの対応では、民間への規制でも、喫煙可能の例が多くなるのではないか」との声が上がっている。

 来年4月には改正法と県条例が全面施行され、飲食店や職場、ホテルのロビーなどが原則禁煙となる。ただ条件によっては喫煙室が設置できるため、「骨抜き」との批判は多い。例外扱いをなくす方向で早期に見直すべきだ。

 受動喫煙のない社会に向け、行政機関は敷地内禁煙を徹底し手本を示す必要がある。それが県民への啓発になる。併せて、職員の禁煙を後押しする取り組みも進めてもらいたい。

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