社説

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 横浜市の踏切で京浜急行電鉄の電車と大型トラックが衝突した事故は、トラックの運転手が死亡し乗客ら35人が負傷した。京急の不通は2日間続いた。

 電車は時速120キロで走っており、衝突車両は大きく傾いて反対側の線路をふさいだ。衝撃で線路外へ飛び出せば周辺の住宅や通行人を巻き込み、大惨事に至るところだった。

 主因はトラックの立ち往生にある。だが踏切内の障害物を検知して電車に緊急停止を命じる信号は正常に作動していた。防げた事故ではとの疑問を抱く。

 2018年の踏切事故は全国で247件にのぼる。高架化や地下化による踏切解消は容易ではなく、すべての鉄道会社にとって事故防止は共通の課題だ。今回の事故の原因を徹底調査し、安全性をさらに高めるための教訓としたい。

 事故を起こしたトラックは踏切と逆方向に曲がろうとしたが失敗し、切り返して踏切に入り立ち往生した。本来の経路と異なる細い道に入り込んでおり、道を間違えた可能性がある。

 京急は脱線を防ぐため踏切付近のレールの内側にガードを設けているほか、両端の車両にモーターを積んで重たくし、車体を安定させている。被害拡大を食い止める効果はあった。

 解明すべきは、なぜ電車を踏切の前で止められなかったかという点だ。

 時速120キロで走る電車は、非常ブレーキをかけても約600メートル走る。停止を命じる信号は踏切の340メートル前にあり、運転士は踏切から600メートル前で目視できるという。今回、運転士は信号を確認したと証言しており、計算上は衝突を避けられたはずだ。

 ブレーキ操作のタイミングが今後の調査の焦点になるが、事故を確実に防ぐには、目視に頼らない安全対策を取り入れる必要がある。

 すでにJR東日本や一部の大手私鉄では、踏切内で障害物を検知すれば自動列車停止装置(ATS)と連動させて電車を止める仕組みがある。京急は導入していなかった。

 人間の行動には、必ず誤りが起こる。その前提に基づいて、安全対策全体を厳しく見つめ直さねばならない。

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