社説

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 台風15号は関東を縦断し、暴風による被害で鉄道や空港などの交通網は大混乱に陥った。来年の東京五輪・パラリンピックで懸念される首都圏のさまざまな防災面の課題が表面化した。

 より大きな台風による被害や混乱も想定して、教訓を対策に生かさねばならない。

 最も問われたのは、鉄道の「計画運休」のあり方だ。台風は朝の通勤・通学ラッシュを直撃し、首都圏の全てのJR在来線などは始発から運休した。

 JR東日本は台風上陸の前日に、翌日午前8時まで運転を見合わせると発表した。このため、各駅には8時の再開を見越して大勢が詰めかけた。だが線路の確認などで再開が遅れ、駅構内やホームが何時間も人で埋まる異常な状態が続いた。

 台風被害は事前に想定できるものではない。JR東は乗客心理も考え、混乱を招かないよう情報提供を見直す必要がある。

 成田空港は各地と結ぶ鉄道やバスが運休し、「陸の孤島」と化した。到着した乗客ら1万3千人が一夜閉じ込められた。

 首都圏の混乱は、災害時における一人一人の意識の重要性を改めて痛感させた。

 気象庁は「関西空港などに大きな被害が出た昨年9月の台風21号に匹敵する恐れ」と厳重警戒を呼び掛けていた。

 通過後は交通やライフラインの復旧が必要となる。多くの人が鉄道や車を使おうとすれば、医療を含め重要な業務に当たる人の動きが妨げられ混乱が拡大する。大都市災害ではこうした問題が繰り返されてきた。

 企業も社員を出社させずに自宅での仕事を指示するなど、社会全体で意識改革を進めていくことが重要だ。

 千葉を中心に最大約93万軒で停電が発生し、台風通過後の猛暑の中、多くの人がエアコンを使えず熱中症の危険に直面する事態も起きた。強風で電力供給する鉄塔や電柱が損傷したためだ。特に暑さ対策は東京五輪・パラに向けた課題といえる。

 今回、外国人観光客らの多くは、駅や空港で情報が得られぬまま長時間足止めされ、ストレスにさらされた。そうした人たちの率直な批判に耳を傾け、問題点を洗い出し、対策を急がねばならない。

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