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 安倍晋三首相は内閣改造と自民党役員人事を行い、第4次安倍再改造内閣が発足した。

 首相は基本方針として「安定と挑戦」を掲げた。形の上では閣僚19人中17人が交代する大幅改造で、初入閣は安倍内閣で最多の13人となった。若手の注目株、小泉進次郎氏を環境相に起用するサプライズも演出した。

 だがその内実は清新さとは程遠い。麻生太郎副総理兼財務相と菅義偉官房長官は留任し、安倍首相が政権に返り咲いた2012年12月から不動である。交代論もあった自民党の二階俊博幹事長の続投と併せ、政権の骨格には手を付けなかった。

 他の主要ポストも、横滑りや再登板が目立つ。初入閣の多くは官邸などで首相に仕えた側近の“昇格”か、安倍首相を支える主要派閥の要望に応じた「入閣待機組」の総ざらいである。

 安倍内閣は11月には歴代最長となる。党総裁としての任期はあと2年。政権の集大成を前に、足元を身内で固め、何より首相自身が安心できる体制づくりを優先した印象だ。

 重要なのは、この内閣で何に挑むのかである。

 首相にとって最大の課題が憲法改正であるのは間違いない。首相と一定の距離を置く参院自民の幹事長に側近の世耕弘成氏を送り込むなど、改憲論議の加速を狙った思惑もうかがえる。

 だが、優先順位を誤ってはならない。国民生活に影響する消費税増税への対応、高齢化と人口減を見据えた社会保障改革など難題は山積している。

 外交でも、悪化する一方の日韓関係や出口の見えない拉致問題、日ロ領土交渉といった懸案の解決が急がれる。

 兵庫県選出議員では、西村康稔氏(衆院兵庫9区)が経済再生担当相に就き、全世代型社会保障改革も担う。公明党の赤羽一嘉氏(同2区)は国土交通相として災害に強いインフラ整備に取り組む。いずれも重責だ。

 首相は会見で「新しい時代の国づくりを力強く進めていくための布陣を整えた」と述べた。新閣僚には首相との親密さでなく、日本の針路を描く発想と実行力で存在感を示してほしい。

 歴史的な変革期にあって困難に挑み、成果を上げてこそ長期安定政権の意義はある。

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