社説

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 旧民主党が、自民、公明両党からの政権交代を実現させてから丸10年を迎えた。

 わずか3年3カ月で政権から陥落した旧民主党は分裂し、離合集散を繰り返した。二大政党制は遠のき、野党の多弱化を招いた責任は大きい。

 その流れをくむ立憲民主、国民民主両党が、ようやく衆参両院での会派合流に合意した。野田佳彦前首相が代表を務める衆院会派「社会保障を立て直す国民会議」も参加する見通しだ。

 野党がばらばらでは巨大与党に対抗できない。秋の臨時国会に向け、衆院117人、参院60人の固まりができる意味は小さくない。国会に緊張感を取り戻す転換点とすべきだ。

 10年で政治の風景は様変わりした。野党転落前の自公政権や民主党政権は「ねじれ国会」に苦しみ、「決められない政治」と批判された。

 政権を奪い返した自公両党は安倍晋三首相の下で国政選挙に連勝し、両院の多数を握り続けている。迅速な国会運営が可能な半面、度重なる採決の強行や与党による“審議拒否”など国会軽視の風潮が強まった。

 政権交代前後は毎年のように首相が替わったが、復帰後の安倍首相の在職期間は戦後最長となった。その陰で政務三役の不祥事が相次ぎ、公文書改ざんなど官僚のモラル低下も目立つ。政権の長期化に伴うおごりや緩みは隠しようもない。

 それでも政権が揺るがないのは野党の力不足が一因である。勢力拡大は重要だが、旧民主党が元のさやに収まるだけでは有権者の支持は得られまい。今の政治に不満を抱く民意の受け皿として、何が求められるのかを見極めねばならない。

 統一会派の意思決定や運営については、来週にも3党派のトップが協議する。焦点は、原発政策や憲法改正を巡る立場の違いをどう乗り越えるかだ。次期衆院選での共闘を視野に入れるなら、基本政策を共有する必要がある。政権担当時も、重要な局面で内部対立に明け暮れた旧民主党の過ちを繰り返してはならない。

 再び政権交代の担い手となれるかの正念場である。政権の枠組みを含め、目指す政治の姿を明確に示してもらいたい。

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