社説

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 ポートライナーなどを運行する神戸市の外郭団体「神戸新交通」が労働組合役員への不適切融資や不正な給与支給などを行っていた問題で、市監査委員は是正を求める監査結果を市長と市会に報告した。

 不正支給分の返還を組合に要求すべきとし、労使癒着の深刻さと悪質性を断じている。

 新交通は調査委員会を設け、市会も追及を続けている。監査結果を受け、市も自浄能力を発揮するべきだ。

 今年4月に不適切融資が表面化したのを受け、神戸市は市長名で監査請求を行う異例の対応を取った。新交通を所管する部局は、直前の3月に融資制度の存在を知ったという。

 しかし制度は16年にわたり続いていた。新交通の社長や役員は市出身者が占め、市から出向の管理職もいる。最近まで市が知らなかったとは信じがたい。約8割を出資する筆頭株主としての責任は免れない。

 報告書によると、1996年ごろには組合の飲食費を会社が負担していたとの証言がある。事実とすれば、癒着は20年以上も続いていたことになる。

 実態のない手当上乗せの廃止などで2009年には抑制に向かったが、10年度に会社側がリストラへの協力を組合に求め、「労務対策費」を増額した。

 大量の処分者を出した市職員労働組合のヤミ専従問題と構図が重なる。阪神・淡路大震災後の財政難に直面し、市は組合の協力で人員削減を進めた。その結果、不正は黙認された。

 決済手続きの簡素化や縦割りの是正など、市はヤミ専従問題の反省から組織風土の刷新に取り組んでいる。報告書は、労組役員の離職申請を漫然と承認したとして新交通の役員に「特別背任が成立し得る」と指摘した。市は30ある外郭団体を改めてチェックしており、悪弊があれば改善しなければならない。

 「経験のある優秀な経営者」を招く、「年功序列の順送り人事」を慎む、など、報告書は新交通への市からの職員派遣についても指摘した。

 不正防止にとどまらず、市民サービスの向上や組織の再生につなげるためにも、神戸市は外郭団体の運営のあり方を大胆に見直すべきだ。

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