社説

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 東京五輪の代表選考レース「マラソングランドチャンピオンシップ」(MGC)が東京都内で行われ、男女とも2位までの計4人が代表切符を手にした。

 女子は尼崎市出身の23歳、前田穂南選手=天満屋=が優勝した。兵庫県勢の五輪マラソン代表は男女を通じて2大会ぶり、女子では5人目となる。

 前田選手は、高校時代は駅伝強豪校で3年間控えだったが、名門実業団でマラソンの才能を開花させた。

 今レースは前半からハイペースを持続し、中盤には独走態勢に入った。自身も「いつの間にか後ろの選手がいなくなっていた」と振り返る快走だ。気温も湿度も高い中、五輪本番とほぼ同じコースを、自分の走りで勝ち抜いた経験は大きな自信となったに違いない。

 ただ終盤は、やや疲れが見えた。本番は8月でさらに暑くなる。残る10カ月余りで対策と強化に取り組み、夢の大舞台で持てる力を出し切ってほしい。

 MGCは、自国開催に向け日本陸上競技連盟が新設した選考方式だ。直近2シーズンで一定の条件を満たした選手が出場権を得て競う「一発勝負」に近い。残る男女各1枠は、今後の指定レースの結果で決まる。

 従来は異なるレースの成績を比べて理事会が判断してきたが、基準が曖昧で物議を醸すことも多く、選手の精神的な負担は大きかった。条件が明確になった新方式で、重圧に耐えて実力を発揮した4選手の代表内定は誰もが納得する結果だろう。

 ただ本番の好成績につながる保証はない。MGC出場選手の中で「世界で戦うために必要な目安」とされた派遣設定記録に達した選手はゼロだった。

 選考方法の透明性とともに、選手強化について東京五輪後もたゆまぬ研究が必要だ。

 MGCは52万人超が沿道を埋め、五輪ムードを高める効果もあった。東京都は暑さ対策として給水器を用意し、保冷剤などを配った。

 だが、日陰さえない場所や、混雑で身動きのとれない場所も多い。本番には日本の暑さに慣れない海外の訪日客も増える。

 安心して競技と応援に専念できるよう、課題を分析し、万全の態勢を整えてもらいたい。

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