社説

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 小中学校の運動会の「花形種目」とされてきた組み体操で今年もけが人が出ている。実施するかどうかを含め、学校と教育委員会は指導法や安全管理のあり方を抜本的に見直すべきだ。

 神戸市教委によると、今年の春と秋の体育行事で組み体操を行ったか、行う予定のある市立小中学校は169校に上り、これまでに計34件の事故が起きている。

 間もなくピークを迎える秋の運動会では、練習中に4人が骨折した。久元喜造市長がツイッターに「私の権限外だが、もうやめるべき」と投稿して波紋を広げた。

 兵庫県内の他地域でも負傷者が出ており、県教委が全県調査を予定している。

 伝統的に兵庫は組み体操が盛んだ。事故も突出して多く、2015年度から3年連続で全国最悪となった。17年度は県内の小中学校で566件の事故が起き、169人が骨折した。

 「達成感や一体感が得られる」と組み体操を評価する教員は多い。しかし、子どもの安全が最優先されるべき教育活動で、これほど事故が相次ぐ事態は異常というほかない。

 しかも今年に入って、県教委や各市町教委は指導体制が整わなければ中止するよう学校に求めていた。

 見過ごせないのは、事故の多くが倒立や肩車といった2人で行う技で起きている点だ。

 四つんばいで積み重なる「ピラミッド」や肩の上に立って塔を作る「タワー」といった大技は、教委が段数を制限するなどして事故が減っている。

 倒立などは一見簡単に見えるかもしれない。だが専門家は「一定の筋力がないと危険で、各人に合わせた丁寧な指導が求められる」と指摘する。

 体力や体格は一人一人異なる。見栄えを重視し、同じ技を一斉に児童生徒にやらせることも事故の要因とされる。それこそ本末転倒だ。

 過労が指摘される教員の負担軽減の観点からも、議論を深める必要がある。

 体育行事の目的は、運動に親しむ態度や連帯感の育成にあり、見せ物ではない。学校も保護者も原点に立ち返り、中止も含めて考えるときだ。

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