社説

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 巨大IT企業は、スマートフォンの基本ソフトやインターネット検索、通販事業などを通してネットサービスの基盤を提供する。米国のグーグルやアップル、アマゾン、フェイスブックなどが代表的な存在だ。

 こうした企業による個人情報収集などを規制する指針案を、公正取引委員会が公表した。意見公募を踏まえて10月中にも取りまとめ、運用を目指す。

 巨大IT企業はネット上の個人情報をほぼ独占的に収集している。立場を盾に取って取引先に不利な条件を押し付けるなどの問題も指摘されてきた。

 ネットサービスや情報社会の健全な発展には、一部企業などによる情報の独占や支配を許さないルールが不可欠だ。個人の権利を守るための法整備も同時に急がなければならない。

 日本国内ではネットの検索エンジンの95%超をグーグルが占めている。利用者が知らないうちに個人の関心事を示す情報が日々、蓄積されている。

 アップルも国内スマートフォン出荷台数の5割弱を占める。通販のアマゾンジャパンは、ポイント還元のコスト負担を中小の出店事業者に求め、一方的との批判が聞かれた。

 こうした状況を受けて公取委が実態調査を進めていた。

 指針案で、公取委は独占禁止法の「優越的地位の乱用」の適用を明示した。これまでは企業間取引に限定していたが、巨大IT企業のサービスを利用する個人も不利益な取り扱いを受忍せざるを得ない力関係を考慮した。妥当な判断といえる。

 利用目的を知らせず個人情報を取り扱えば「乱用行為」となる。就活中の学生の個人情報を基に内定辞退率を企業に販売していた就職情報サイト「リクナビ」のような事例は今後、厳しく規制されることになる。

 並行して政府は、契約情報の自主的な開示を大手企業に求める新法の検討も進めている。個人情報の広告などへの利用停止を企業に要求できるよう、個人情報保護法改正も模索する。

 国際社会では、国境を超えて展開する巨大IT企業の課税逃れ対策が共通の課題とされる。優越的地位に甘んじて自ら透明性を高める努力を怠れば、利用者の信頼は得られない。

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