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 「原発マネー」の闇の深さが改めて浮かび上がった。

 関西電力の役員らが、原発が立地する福井県高浜町の元助役から多額の金品を受け取っていたことが、金沢国税局の税務調査を端緒に明るみに出た。

 公費や電力料金などで賄われる原発関連工事費が、経営陣個人に流れていた可能性がある。

 原発立地は巨額の交付金がもたらされる一方で、地元に重い負担を強いる。不透明な資金の流れに私欲が絡んでいたとすれば、事故のリスクと隣り合わせで暮らす住民に対する許し難い裏切り行為である。

 関電によると、2011年からの7年間で八木誠会長ら20人が計3億2千万円を受領した。福島第1原発事故で原発の安全神話が崩れた時期に当たる。

 金品を渡した元助役は今年3月に死亡したが、約30年前に退職した後も町政に影響力を持っていた人物だ。国税局の調査で原発の関連工事を請け負う町内の建設会社から、受注に絡む手数料として約3億円を受領していたことが分かっている。

 国税局はさらに、元助役から複数の関電役員への資金の流れを確認したという。「お世話になっているから」と関電側に金品を渡し続けていた。

 会見した岩根茂樹社長は金品の受領を認め謝罪した。一方で「返却を拒まれたため、一時的に保管していた」とし、不正行為の認識はなかったと繰り返した。事業に影響が出るのを恐れて返せなかったという。

 持ちつ持たれつの関係を示す身勝手な理屈である。公益企業のトップとしてモラルに欠けている。

 福井県は関電の美浜、高浜、大飯の3原発など全国最多の原発を抱え、地元では「氷山の一角にすぎない」との声も上がっている。他の立地自治体でも不透明な資金の流れはないか。疑惑は尽きない。

 監督官庁である経済産業省は事実関係を徹底的に調査し、不透明な資金の流れを解明する責任がある。

 高浜原発は3、4号機が営業運転を再開し、1、2号機も再稼働に向け安全対策工事が進められている。最優先すべきは地元住民の信頼回復である。関電は肝に銘じるべきだ。

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