社説

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 関西電力の役員ら20人が福井県高浜町の元助役から多額の金品を受領していた問題で、八木誠会長や岩根茂樹社長らが再び記者会見した。遅まきながら昨年9月の調査委員会の報告書を説明したが、自らの辞任については改めて否定した。

 どう考えても常軌を逸した関係を続けてきたのに、企業としての責任の認識が乏しいことに改めて驚かされる。公益企業として失墜した信頼の回復と、原発マネーを巡る疑惑を徹底究明するために、経営陣を速やかに刷新すべきだ。

 八木会長らが受領した金品の総額は3億1千万円余りに上るという。原子力事業本部の幹部と元幹部はそれぞれ1億円以上を受け取っていた。

 これほど多額の資金の原資はどこから生まれたのか。元助役が要職に就いていた原発関連会社への便宜供与も含め、疑惑の解明は進まなかった。

 認識の甘さを示したのが社内処分だった。1億円以上受領した幹部2人を月額報酬2割の2カ月返上と厳重注意にとどめた判断にあぜんとする。

 会見で岩根社長らは、金品を受け取らないと脅されたなどとし、元助役の人物像の「特異性」を強調した。

 グループ会社の顧問に迎え入れるなど癒着を続けてきたことへの反省よりも、受け取り続けたことを自己弁護するような姿勢は理解に苦しむ。亡くなった元助役に責任を押し付け、都合のいい説明に終始した感覚は一般常識とかけ離れている。

 長年にわたり問題を放置した責任は明らかだ。企業統治や法令順守への意識が薄く、経営に携わる資格はない。

 会見で岩根社長らは再調査の方針を示した。だが金銭感覚や公益企業としての責任感が欠けている自らの体質に、本質的な問題がある。関電と利害関係のない第三者の手で掘り下げなければ、疑惑解明はあり得ない。

 原発関連工事の巨額マネーが電力会社幹部へ環流する「原発事業の暗部」が浮かび上がった。厳しい安全性や倫理性を求められる原子力事業の担い手に、関電が値するのか。経済産業省は監督できていたのか。明日から始まる国会でもしっかり追及する必要がある。

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