社説

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 中国がおととい、建国70年を迎えた。北京では習近平国家主席が参加して過去最大規模の軍事パレードが繰り広げられ、米国のほぼ全域を射程に収める大陸間弾道ミサイルなどの最新兵器が列をなした。

 最新兵力を誇示し、習指導部の求心力を高める狙いがあったと思われる。今世紀半ばまでに「社会主義現代化強国を建設する」という目標の実現に国力を総動員していることを内外に見せつけた。

 だがここにきて、米国との貿易戦争など出口が見えない難題に直面しているのも事実だ。習氏は演説で「いかなる勢力も中国人民の前進を阻むことはできない」と強調した。今後も強硬姿勢を内政や外交の軸とする決意を表したと言える。

 それが具現化したのが、「逃亡犯条例」改正案を巡る香港市民の抗議活動への対応だ。

 軍事パレードと同じ日、数万人の市民らが無許可のデモを強行した。一部が警官隊と衝突し、男子高校生が左胸を撃たれて重体となった。一連のデモで実弾発砲による負傷者は初めてだ。国際社会から批判の声が高まっている。

 節目の日の大規模デモは、中国共産党政権への反発の高まりを示している。警察の応戦は放水車や催涙弾、警棒による殴打など実力行使に発展し、多数の負傷者が出た。天安門事件を思い起こさせる事態である。

 習氏は香港の「一国二制度」を堅持する考えを表明しているが、もはや強権統治は限界に近づいているのではないか。力による締め付けを改め、事態の収拾を図るべきだ。

 資本主義と社会主義が混在する大国の強権的な姿勢に、世界は警戒感を強めている。

 軍事力を背景にした東・南シナ海への海洋進出、少数民族や民主活動家の人権抑圧など、国際社会の価値観と相いれない問題は数多い。このままだと中国は信用を失い、孤立化の道を進みかねない。格差拡大や高齢化など内政の難題も山積する。

 習氏は健全な発展を目指して対話と協調にかじを切るべきだ。世界第2位の経済大国としての立場や影響力を直視し、信頼される国家となって、その責務を果たさねばならない。

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