社説

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 いくら何でも見過ごすことのできない暴言である。

 NHKから国民を守る党(N国)の立花孝志党首が、増加する世界人口に関し「『あほみたいに子どもを産む民族はとりあえず虐殺しよう』みたいな」「ある程度賢い人だけを生かしておいて」などと発言していたことが分かった。

 動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開された対談の中で、戦争を防ぐには人口を抑制するしかない、との持論を展開した際の発言だ。

 「ばかな国ほど子どもを産む。ばかな民族というか。そういう人々を甘やかしたら、どんどん子どもを産む」とも語った。

 日本から途上国への教育支援にも疑問を呈し「犬に教えるのは無理。世界中の人間には、それに近い人が圧倒的に多い」などと述べた。

 ジェノサイド(集団殺害)を連想させ、民族差別や優生思想を容認する内容である。公党代表を務める国会議員としての自覚に欠け、常軌を逸していると言わざるを得ない。

 集団殺害は平時・戦時を問わず国際法上の犯罪とみなされる。人種差別撤廃条約にも反する発言だ。

 放置すれば、日本がそれを容認しているという誤ったメッセージが国際社会に伝わりかねない。与野党は立花氏に真意をただし、国会の総意として厳しい処分を検討すべきだ。

 立花氏は後日、発言を報じた記事に動画で反論し「だからといって、どっかの国の人を殺りくするつもりはない」などと釈明した。

 謝罪や発言撤回はしていない。それどころか「書いてくれることで話題は尽きないので、それはそれでいい」とし、批判を含めて注目が集まるのを狙っている節がある。

 立花氏は「NHKをぶっ壊す」と連呼する動画などが話題となり、7月の参院選比例代表で初当選した。その後もNHKやタレントらを批判する動画が物議を醸している。

 別の投稿動画で男性を脅したとして、脅迫の疑いで警視庁に書類送検されたことも分かった。

 いわゆる「炎上商法」に乗るべきではないとの考え方もあるだろう。だが国会議員としての資質が疑われる言動に対しては、しっかりとくぎを刺しておかねばならない。

 N国には、領土問題を巡る「戦争容認発言」で衆院の糾弾決議を受けた丸山穂高議員も加わった。丸山氏は決議を無視して職にとどまり、同趣旨の発言をツイッターに投稿するなど反省するそぶりを見せない。それを擁護する立花氏の姿勢は、党首としても無責任である。

 選挙で選ばれた国会議員の立場は重い。だからこそ、その資格がないと判断されれば自ら辞職すべきだ。

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