社説

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 神戸・三宮の百貨店として親しまれてきた「そごう」が85年の歴史に幕を閉じ、「阪急」がきのう開業した。

 神戸に阪急阪神百貨店の大型店舗ができるのは、ハーバーランドから神戸阪急が撤退して以来7年半ぶりだ。三宮は再整備に向け動き始めており、新たな街の魅力づくりの先駆けとなってもらいたい。

 そごう神戸店が今の地に進出したのは1933(昭和8)年のことだ。戦後に増築や増床を重ね、大阪万博翌年の71年には神戸・元町の大丸神戸店を抜いて地域1番店となった。

 90年には売上高が1471億円と過去最高を記録したが、バブル経済の崩壊や、阪神・淡路大震災で、97年には再び大丸に逆転を許した。拡大主義が逆回転を始め、3年後にはそごう自体が破綻に陥った。

 その後、西武百貨店との統合から、セブン&アイ・ホールディングスの子会社、さらにはエイチ・ツー・オー(H2O)リテイリングと経営主体は次々に変わったが、三宮の「そごう」の看板は変わらなかった。

 周辺の商店街との連携にも力を入れ、名実ともに地域のシンボルであり続けたのは間違いない。その信用をさらに高めるとともに、新たな百貨店モデルを築くのがH2Oの課題だ。

 デフレの進行や郊外のショッピングモール、インターネット通販の台頭などで百貨店業界は窮地に立っている。

 ヤマトヤシキ姫路店など地方百貨店の閉鎖が各地で相次ぐ一方で、都心店では多彩な専門店をそろえる「脱百貨店」の動きがみられる。

 H2Oは阪急西宮ガーデンズや阪急百貨店梅田本店で、物販に加え体験型の「コト消費」を推し進め、都市の顔となる店をつくった実績がある。神戸阪急では「フェスティバル365」をコンセプトに「毎日、楽しさを発信していく」という。

 大阪や京都に比べ訪日外国人客が少なく、人口流出も続くなど、神戸での百貨店経営を取り巻く環境は楽観できない。

 再整備の進む三宮の新しい顔として積極的に魅力を発信し、人を呼び込むような店づくりで、三宮の商業集積全体の底上げに結び付けてほしい。

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