社説

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 関西電力の役員らが多額の金品を受領していた問題で、八木誠会長ら5人が引責辞任した。

 岩根茂樹社長は、12月下旬をめどとした第三者委員会の調査結果が出た段階で辞任するとした。

 高浜原発が立地する福井県高浜町の元助役から、約3億2千万円相当の金品を20人が受け取っていた。自らも受け取り、これほど不健全な関係を長年放置してきた八木会長の責任はあまりにも重い。

 2日に事実を公表した時点で辞任すべきであり、遅きに失した。

 原発関連会社に支払った工事費などが関電幹部に還流していたのではないか。会見した両氏は疑惑の核心には言及しなかった。第三者委による徹底した調査で、疑惑の解明を進めなければならない。背景にある根深い企業体質の問題にメスを入れるためにも、岩根社長を含めた経営陣の刷新は不可欠だ。

 岩根社長は「職にとどまるのは好ましくないと自覚しているが、残された責任がある」と説明した。月額報酬の2割を1カ月返上としていた自らの処分を全額返上に変え、当面続投し原因究明に努めるという。

 だが、一連の対応を見ればその資格はないと言わざるを得ない。

 国税当局が調査に入ったことを契機に関電は2018年7月、社内調査を始めた。岩根社長は、金品受領の問題を把握した後に取締役会への報告や公表しないことを決めた。

 報道で発覚しなければ、報告書が表に出ることはなかったのではないか。自身や八木会長の報酬減額などの社内処分を一部の幹部だけで決めている。社長自ら隠蔽(いんぺい)の先頭に立っていたと言われても仕方ない。

 疑惑は、再稼働が焦点となる高浜原発の安全性への懸念を高めた。透明性と倫理性が厳しく求められる原発事業を、とても任せられない。

 関電側に金品を渡していた元助役と関係の深かった企業は、関電の原発関連工事などを13年度からの6年間だけで少なくとも200億円超を受注していた。元助役の関連会社側から複数の与党政治家への献金も判明している。

 こうした資金が誰に流れ、関電の原発事業にどう影響していたのか。国が進めてきた原発政策の根幹に関わる問題として、国会も疑惑解明に取り組まねばならない。岩根社長が「真摯(しんし)に対応する」とした国会招致を速やかに実現する必要がある。

 原発事業を巡っては、工事費のほかに、電力会社が地元の理解や協力を得るために使う対策費や寄付金など実態が不透明な資金の問題が指摘されている。

 そうした「原発マネー」全体の闇を明らかにしていかねばならない。

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