社説

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 ラグビーのワールドカップで日本代表は、準々決勝の南アフリカ戦に敗れ、大会を終えた。

 4強には届かなかったが、初の8強入りという大きな目標を達成し、ラグビーの歴史を塗り替えた。持てる力の全てを出し切り、躍進を遂げた選手たちに心から拍手を送りたい。

 1次リーグは、4戦全勝の首位で決勝トーナメント進出を果たし、進化を見せつけた。

 ロシアとの開幕戦は初の自国開催のプレッシャーに打ち勝ち、自分たちのスタイルを貫いた。優勝候補アイルランドとの第2戦は、体を張った守りで逆転の大金星を挙げた。勢いに乗ってサモアに快勝し、臨んだスコットランド戦はスピード感あふれる攻守で観客を魅了した。

 タックルで倒されながらもボールをつなぐ「オフロードパス」や、低く力強いスクラムなどが象徴するチーム一丸となった献身的な戦いぶりは、国内はもちろん世界のラグビーファンにも高く評価された。前回大会後、ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチの下で積み重ねてきた努力の厳しさを物語る。

 それでも、決勝トーナメントは南アの力と速さに完敗した。初めて踏み入れた未知の領域で真の強豪の強さを知った。試合後、リーチ・マイケル主将が「日本はまだ強くなる」と語ったように、貴重な経験を糧に、新たな歴史を刻んでほしい。

 今大会が残したものは日本代表の活躍だけではない。

 互いに敬意を表し合う「ノーサイド」の精神を体現する各国代表の振る舞いが、連日感動を呼んだ。国籍や体格の違う選手がそれぞれの個性を生かしてチームに貢献するラグビーの多様性の魅力を改めて知った人も多かったに違いない。

 4年後にさらなる飛躍を目指すには、この熱狂を一時的なブームに終わらせず、競技人口のすそ野を広げ、根付かせる地道な努力が欠かせない。国内リーグの活性化や、世界の強豪と競う場の増加など、ラグビー界が「ワンチーム」となって課題に取り組まねばならない。

 日本代表は舞台を去ったが、世界最高峰の戦いはここからが本番だ。最後まで見届け、盛り上げて、世界のファンの記憶に残る日本大会にしたい。

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