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 天皇陛下が即位を宣言される「即位礼正殿の儀」がきょう、皇居で催される。パレードは台風の影響で11月に延期されるが、170以上の国の元首や王族、政府高官のほか、国際機関代表らが参列し、祝福する。

 陛下は5月に即位され、すでにご公務に就かれている。儀式は皇位継承を国の内外に示す意味がある。平成の代替わり時をほぼ踏襲する形式だ。

 陛下は即位の際、「常に国民を思い、国民に寄り添いながら、憲法にのっとり、象徴としての責務を果たす」と誓われた。国民もその思いを受け止め、さらに親しみを深めている。

 きょうの日を、これからの時代にふさわしい皇室のあり方を考える出発点としたい。

 儀式では陛下のお言葉に続き、安倍晋三首相が見上げる格好で祝辞を述べ、万歳三唱する。代表を送った国などは前回の160を上回り、内外要人を含め約2500人の規模となる。

 続いて陛下が賓客と食事を共にされる「饗宴(きょうえん)の儀」が、31日まで4回開催される。こちらは前回より規模を縮小したが、計2600人が参列する。

 どちらも憲法が定める「国事行為」として行われる。人件費や資材価格高騰で、即位に伴う費用の総額は前回の3割増の163億円になる見込みだ。

 古式や伝統は大切にしなければならない。ただ、政府は11月に行われる「大嘗祭(だいじょうさい)」を「公的な皇室行事」と位置づけ、国費支出を決めた。これも前回の踏襲だが、神道形式の色濃い儀式で、憲法の政教分離原則に反する疑いがぬぐえない。

 前回の「大嘗祭」では「違憲性を否定できない」とする大阪高裁の判決が確定している。安倍政権の姿勢は問題を先送りしただけといえる。

 さらに、政府は「正殿の儀」に合わせ約55万人に恩赦を実施する。罰金刑で制限された資格の「復権」が中心で、前回の250万人から絞り込んだ。

 だが、一律に罪を減じることへの国民の理解は十分とはいえず、共同通信の全国調査でも「反対」が6割を占めている。

 祝祭ムードが高まる中、十分な議論を回避して自らの考えを押し通す。そうした政府の姿勢は今回も批判を免れない。

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