社説

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 東日本各地で洪水や土砂崩れを引き起こした台風19号の大規模な水害から1カ月がたった。堤防の決壊は7県の71河川、土砂災害は20都県の935カ所で発生した。住宅被害は8万棟を超え、うち全半壊は約1万2千棟に上る。

 被災地があまりに広範囲なこともあってボランティアが足りず、被災者は疲労の色を濃くしている。本格的な冬が到来する前に、避難所に身を寄せる人々などへの住宅確保や、被災住宅からの土砂撤去などの支援を急がねばならない。

 内閣府によると、その後の台風21号に伴う記録的な豪雨の影響もあって、現在も約2300人が避難所で生活している。ピーク時の23万7千人からは大きく減少したが、被災した自宅に戻って2階などで不自由な暮らしを続けている人は多い。支援もなく、自力で泥をかき出し続けている被災者も少なくない。

 冷え込みが厳しくなる中、体調を崩すことや、インフルエンザやノロウイルスなどへの感染を警戒する必要がある。在宅被災者が孤立しないよう、行政は社会福祉協議会やボランティアなどと連携して状況把握に努めてほしい。

 公営住宅や民間住宅の借り上げなど安心できる住まいの提供を急ぐとともに、仮設住宅の建設も進めたい。東日本大震災など、近年の地震や水害の際に使った仮設住宅の再利用も有効だろう。

 復旧に向けた人手不足は大きな課題だ。被災地各地に開設された災害ボランティアセンターは約100カ所で、昨年の西日本豪雨の約60カ所を大きく上回っている。

 河川が決壊して多くの住宅が洪水被害に見舞われた宮城県丸森町や福島県いわき市などは、ボランティアがまったく足りていない状況にある。支援を求める被災地の情報は厚生労働省や社会福祉協議会がまとめて公表している。現地で活動する際は災害ボランティアバスの運行情報なども活用していきたい。

 被災地では、災害ごみの問題も深刻化している。仮置き場の容量を超えた大量のごみは道路にあふれ、学校の運動場などを使わざるを得ないケースもでている。

 自治体側の対応が追いつかず、ガラスなどの危険物や生ごみなどが無秩序に積み上げられた場所もある。悪臭や火災の発生などのトラブルを招きかねない。

 環境省は西日本豪雨の約190万トンを大幅に上回る災害ごみの発生を予測している。広域処理を進めても処理には2年以上かかる見通しだ。

 分別をきちんと行えば処理期間やコストが大きく変わることを、行政は地域住民に伝えてほしい。

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