社説

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 臨時国会は9日に会期末を迎える。首相主催の「桜を見る会」を巡る一連の問題は、多くの疑念が解消されないままだ。

 与党は、安倍晋三首相が出席した参議院本会議の質疑で「納得した」とし、野党が求める会期延長に応じようとしない。

 だが首相は正面から疑問に答えたとは言えず、新たな疑惑が次々に浮上している。

 預託商法を展開して破綻した「ジャパンライフ」元会長が首相らの推薦枠で招かれ、消費者を信用させる宣伝に使われたとの疑惑がその一つだ。

 首相は元会長とは面識がないと強調する一方で、招待状を送ったかは「個人情報」を理由に答えなかった。招待状のばらまきで被害が拡大したとすれば重大な問題だ。

 反社会的勢力の出席も指摘された。誰の招待で、なぜ入り込めたのか、主催者として事実関係を確認する責任がある。

 だが、肝心の名簿は野党議員から資料要求のあった1時間後にシュレッダーで廃棄されていた。あまりに不自然で、証拠隠しが疑われても仕方がない。

 しかも、内閣府が同時に破棄したと説明していた電子データのバックアップは、しばらくは残っていたことが分かった。要求に応える気があれば復元は可能だったのではないか。

 あきれるのは、その言い訳である。菅義偉官房長官は「バックアップデータは行政文書ではない」から対応に問題はないという。原本が失われた時に機能するのがバックアップであり、苦しい言い逃れにすぎない。

 安倍首相は「廃棄したのは障害者雇用の職員」と答弁した。もっと早くすべきだったが、シュレッダーの空き状況や職員の勤務時間などを調整した結果、この日になったというのだ。

 誰が、どのように廃棄を判断したかという問題の本質をごまかそうとしたのだろう。障害者という職員個人の属性を持ち出すのは姑息(こそく)というほかない。

 不都合な文書は抹消し、責任は立場の弱い人に押しつける。財務省の公文書改ざん、自衛隊の日報隠蔽(いんぺい)でも同じ過ちが繰り返された。このまま逃げ切りを許すわけにはいかない。首相は必要な資料を公表し、国民が納得できる説明をすべきだ。

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