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 新型コロナウイルスの感染拡大で、株価急落の連鎖が続いている。9日の米ニューヨーク市場は史上最大の下げ幅となり、きのうの東京市場も一時は1万9000円を割り込んだ。

 入国制限を実施する国が増え、観光や飲食などの落ち込みが顕著だ。ヒトやモノの動きが鈍り、製造や運輸など幅広い業種が不振に陥る。2008年のリーマン・ショックの再来も現実味を帯びてきた。

 当時、日米など主要先進7カ国に新興国も加えた20の国と地域でG20の枠組みを新たに設け、協調して危機に臨んだ。悲観視が続けば経済はさらに収縮し、いっそう悲観視が強まる悪循環に陥る。各国は政策連携を強化して、市場の不安解消と実体経済のてこ入れに全力を注がねばならない。

 自国優先が国際協調を妨げれば、波紋は市場全体に及ぶ。今回の株安の一端となった原油価格急落はその証左と言える。

 景気減速による原油需要減を見据え、石油輸出国機構(OPEC)加盟国と非加盟国は減産を協議してきた。これが決裂し、サウジアラビアの増産計画も相まって4年ぶりの安値水準となった。市場へのオイルマネー流入が細るとの思惑が、株価下落に拍車を掛けた。

 G20財務相・中央銀行総裁会議は、成長持続へ「全ての利用可能な政策手段を用いる」方針を示している。米連邦準備制度理事会(FRB)などは追加利下げに踏み切ったが、市場の反応は鈍かった。緩和路線が長期化し、金融政策の持ち駒が少ないのを見透かされている。

 トランプ米大統領は、中小起業支援や減税などの大規模な経済対策を検討する。各国の財政出動が次の焦点となる。

 日本政府は緊急対策第2弾で、子どもを世話するため休業したフリーランスや自営業者への補償に踏み込んだが、中小企業支援は新たな融資制度創設などにとどまった。本年度予算の予備費を財源とするのでは大胆な手が打てないのも当然だ。

 自民党は2020年度補正予算編成を提言している。野党からは20年度予算案組み替えを求める声も出た。財源の洗い出しも含め、実効ある経済対策を再考せねばならない。

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