社説

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 新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言が39県で解除され、兵庫など宣言継続の8都道府県でも休業要請の一部解除などの動きが広がっている。

 新規感染者数は全国で低下傾向にある。大阪では17日に約2カ月ぶりにゼロとなり、兵庫もゼロや1桁が目立ち始めた。大型連休中に多くの国民が外出を自粛したことが、感染拡大を抑え込むのに一定の効果があったのは間違いない。

 しかし楽観は禁物だ。社会活動が正常化に近づけば感染拡大のリスクも増える。社会的距離を保つなど拡大防止を意識した生活を心がけるとともに、再流行に備えて地域医療の体制を強化しなければならない。

 現在、兵庫県は、新型コロナ患者を受け入れる病床として重症者用を約70、中等、軽症者症用約440の計約510床を確保している。

 このうち、とくに重要なのが重症者用病床だ。17日現在の重症者は17人で、使用率は20%超にとどまっている。しかし感染者が急増した4月中旬には9割を超えていた。県の試算では、新規感染者が1日40人ペースで出続ければ約3週間ですべてが埋まるという。

 第2波を想定すれば、重症者用病床をさらに増やす必要がある。人工呼吸器や人工心肺装置などの機材を医療機関に適切に配備できるシステムも不可欠だ。併せて医療人材も確保せねばならない。

 一方、県はPCR検査について、県内自治体で1日280件、病院や民間の検査を含め約350件の受け入れ能力があるとしている。最近の件数は1日平均約130件だが、感染状況の把握や、陽性判定が遅れて重症化する事態を防ぐため、拡充が必要だ。神戸市と市医師会は「ウオークスルー方式」の検査を近く始める。同様の取り組みを他の自治体でも進めてほしい。

 共同通信の調査では、がん最先端治療などを担う全国86の特定機能病院の約3割が、感染拡大で本来の役割である高度医療の提供に支障が出ていると答えた。医療従事者がコロナ対応に集中しているためだ。

 大阪府・市はコロナ専門病院を整備して、医療機関の役割分担を明確化した。軽症は宿泊施設で受け入れ、中等症と重症は医療機関を分けることで、院内感染のリスクも軽減させられる。神奈川県は、プレハブ型医療施設の建設を急いでいる。兵庫も検討してもらいたい。

 コロナの治療には多くの設備と人手が要る。医療資源を適切に配分する枠組みを作り上げるべきだ。流行が下火になったこの時期の取り組みが重要になる。

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