社説

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 兵庫県はきのう、一部業種で続いていた休業要請を解除した。3カ月近く休校していた県内の公立学校も授業を再開し、新型コロナウイルスの感染拡大阻止を意識した「新しい生活」が動き始めた。

 きのうは、県内で初めて感染者が確認されてから3カ月の節目だった。ここのところ感染が下火になった印象もあるが、ウイルスはどこかに潜んでいる。感染の再拡大を意識して慎重に歩を進めたい。

 おとといまでの県内の感染者は累計699人、死者は42人を数える。居住地非公表分を除くと感染者の約4割が神戸市に集中する一方、但馬と西播磨はゼロで地域差が大きい。

 感染経路は家族と職場が4割以上を占める。病院や福祉施設などでのクラスター(感染者集団)発生に関心が高まったが、無症状か軽症の感染者が日常生活の中で感染を広げていた点に留意する必要がある。

 新たな感染者数は4月11日の42人をピークに減少傾向となり、5月17日からおとといまで15日間連続ゼロとなった。緊急事態宣言の解除後に増加に転じることが懸念されたが現段階では感染抑止への緊張感が維持されているとみていいだろう。

 だが社会活動が再開し、人やモノの動きが活発になれば、再拡大に見舞われるリスクも高まる。その兆しを早期に見つけることができる態勢を整えたい。

 まずPCR検査の拡充だ。県は1日最大千件を可能にするとの目標を掲げ、検査試薬の備蓄も進める。神戸や西宮などでは医師会の参画で検査センターが設けられる。抗原検査なども含め着実に進めてほしい。

 医療体制の強化も不可欠だ。感染者数がピークとなった4月中旬、県内では重症者向けの病床が逼迫(ひっぱく)状態に陥った。病院などでのクラスター発生が相次ぎ、院内感染への懸念から救急患者の搬送先が長時間決まらないという事例もあった。

 感染者の減少に伴い、県は感染者用の病床数を半分以下に縮小する方針だが、再拡大の兆候が出れば速やかに病床を増やせるよう、医療機関と連携を密にするとともに資機材も十分に確保してほしい。保健所の態勢強化なども喫緊の課題である。

 政府は5月25日にすべての緊急事態宣言を解除したが、気になるのは北九州市の状況だ。5月23日に24日ぶりに感染者が確認され、おとといまでに97人に達した。再開直後の小学校での感染例も出ている。

 今年1月に国内初の感染者が確認されて以来、対策が後手に回ったことが状況を悪化させたと指摘されている。政府や自治体はその反省に立ち、第2波への注意信号を出すことにちゅうちょしてはならない。

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