社説

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 新型コロナウイルスの感染拡大により、日本経済はリーマン・ショックを超える景気後退に陥るとの見方が広がり始めた。兵庫経済も深刻な打撃を受けている。

 感染の終息は見通せず、さらに状況が悪化すると予測する企業は多い。まさに正念場である。感染拡大の第2波に備えるとともに、難局を乗り切る対応力が求められる。

 県内のコロナ関連倒産は14件となり、全国で5番目に多い。アパレルや観光業が目立つ。

 上場企業の業績悪化も顕著だ。県内76社の2020年3月期決算は、全体の63%に当たる48社で最終的なもうけを示す純損益が減益か赤字になった。この割合は前年同期より6ポイント増えた。

 米中貿易摩擦で世界経済が減速していたところに、コロナ禍が追い打ちをかけた。グローバルに展開する製造業は、自動車や半導体の需要が急減したあおりをもろに受け、県内でも鉄鋼メーカーなどが一時帰休に踏み切った。

 緊急事態宣言による外出自粛要請は観光、交通、ファッション関連などを直撃した。「反転攻勢するためにまずは生き残ること」と大手アパレルの幹部は話す。

 見過ごせないのは、県内上場企業の半分を超す43社が21年3月期の業績予想を示せなかった点である。だが先が見えない中でも、「ウィズコロナ(コロナとの共生)」を視野に置いた戦略は不可欠だ。

 3密を避ける流れは今後も続く。生活スタイルや消費行動も変容するはずだ。外出自粛が長引く中、食材や料理の宅配といった「巣ごもり消費」が大きく伸びたのはその一例である。

 需要を掘り起こし、新たな商品やサービスを生み出す好機ととらえたい。鍵を握るのはITの活用だ。

 動きを加速している県内企業もある。スポーツ用品メーカーは、各地のマラソン大会が中止になったことを受け、ランニング用のアプリで記録を競うネット上の大会を開き、数十万人の新規登録者を獲得した。機械部品メーカーは、製造現場のロボット化がさらに進むとみて関連部品の増産体制を整えつつある。

 一方、IT化の遅れでリモートワークの移行に支障をきたすなど、コロナの感染拡大は各社が抱える課題を浮き彫りにした。事業の存続を左右しかねないだけに、対応が急がれる。長時間労働を改めて、働き方を見直す機会にもしてほしい。

 2度にわたる政府の補正予算は歳出が計56兆円に膨れ上がった。政府、自治体は中小、零細企業のIT化を加速させる実効的な施策にも財源を確保するべきだ。

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