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 東京都で新型コロナウイルスの感染拡大のペースが加速している。おとといは224人、きのうは243人の感染者が新たに確認され、2日連続で過去最多を更新した。

 市中感染が広がりつつあると見るのが自然だろう。赤信号が点灯したと認識するべきだ。

 きのう会見した小池百合子都知事は、検査体制が整備されてきたことが背景にあるとの認識を示し「自らの健康状況を知った上で感染させないことが広がっていくのは、むしろ是として受け止めるべきではないか」と述べた。

 あまりにも楽観的だ。今のところ重症者は少なく、都の医療体制には余裕があるという。だが今のうちに食い止めなければ、いずれ逼迫(ひっぱく)する恐れがある。直ちに歯止めをかける対策を講じねばならない。

 都内の感染者数は5月25日の緊急事態宣言の解除以降、増加傾向が続き、今月になって100人台が相次いでいた。都は、体調不良や発熱がある場合は都外への外出を控え、適切な感染防止策を実施している店を利用するよう呼び掛けている。ただ都民任せの面が否めない。

 区などが独自の休業要請をする場合、都が協力金として補助する方針も決めた。政府と連携し、地域や業種を限定した休業要請などを検討してもいいのではないか。

 懸念されるのが、7月に入って飲み会などの会食や家庭・職場内での感染事例も目立つことだ。これまではホストクラブなど「夜の街」関連の感染者が多かったが、様相が変わりつつあると言える。家庭や職場などで重症化リスクの高い高齢者に広がると、重症者が一気に増えかねない。十分な注意が必要だ。

 緊急事態宣言の解除から1カ月以上がたち、政府は社会経済活動の再開を急いでいる。きのうから各種イベントの入場制限を緩和し、プロ野球に観客が戻ってきた。消費喚起策「Go To キャンペーン」を巡っては、宿泊代金など国内旅行の料金の割引を22日からスタートさせると発表した。

 全国規模で経済活動が拡大すれば人と人との接触が増え、地方にも波及する危険性がある。経済を重視するあまり感染対策が遅れると、かえって大きなダメージになりかねない。政府はもっと危機感をもって状況を見極めるべきだ。

 きのうは全国でも感染者が400人を超え、宣言解除後最多となった。東京に隣接する埼玉、千葉、神奈川県や大阪府など都市部での増加が目立つ。連日感染者が出ている兵庫県でも警戒レベルを引き上げる必要がある。政府は自治体と連携し、感染の封じ込めに努めねばならない。

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