社説

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 兵庫県内の多くの小中学校、高校、特別支援学校などが通常授業を再開して1カ月が過ぎた。

 新型コロナウイルスの感染第2波に備えながら、子どもたちの健やかな育ちを支援するために教育現場が直面する課題を広く共有したい。

 各学校は「3密」を避け、教室を消毒するなどの感染予防に努めている。感染症のリスクをゼロにはできないが、手洗いや手指消毒などの対策を徹底しつつ、知恵を絞ることが求められる。

 教育関係者からは「児童、生徒と教員の双方に疲れが見える」との声が上がっている。

 休校中の遅れを急いで取り戻そうとするあまり、授業が過度の詰め込みになっていないか心配だ。休み時間を短縮して「7時間目」を設ける学校もある。授業のペースについていけなかったり、学習意欲を失ったりしている子どもへの丁寧なフォローがより重要になる。

 学校行事や校外学習が中止となり、がっかりしている子どもは少なくない。子ども同士の関わり合いを制限せざるを得ない場面もあり、教員も悩んでいる。

 多様な学びの機会を保証する観点から、そうした活動をできるだけ大切にしてほしい。例年通りのかたちにこだわらなくても工夫の余地はあるはずだ。学校間で事例を共有するのも有効だろう。

 コロナ対策で教員の多忙化に拍車がかかっているのも気がかりだ。校内の消毒作業などは業者に外注してもいいのではないか。教育委員会は教員が子どもたちにじっくり向き合う環境整備を図らねばならない。

 感染拡大で再び休校となる可能性もある。学びを止めないためにオンライン授業の準備を急ぐべきだ。家庭のネット環境に差が出ないよう、きめ細かな支援が前提となる。

 7月に入って神戸市立垂水中学校の教員と生徒の感染が判明した。感染者と同学年の生徒ら約240人を2週間の自宅待機とし、PCR検査を行った。自宅待機の生徒にはプリントを郵送し、電話で健康状態や学習の進み具合を尋ねている。

 あろうことか、垂水中学校には中傷の電話がかかっている。不安からだとしても、感染した人を責め、排除するのは差別にほかならない。学校を追い詰め、拡大防止に取り組む地域の連携を阻害するだけだ。

 子どもや教員の心のケアに努めるのはもちろん、国や自治体は「コロナ差別を許さない」との強い姿勢を改めて示すべきだ。

 感染を恐れて今も登校できない子どもがいる。福祉部局と連携するなどして「しんどさ」を抱える家庭への目配りも欠かせない。

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