社説

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 兵庫県で新型コロナウイルスの新規感染者の増加傾向が続いている。おとといまでの1週間に確認されたのは103人に上り、前週の4・7倍に達した。拡大のペースは加速しており、予断を許さない状況だ。

 あすから4連休に入る。政府の観光支援事業「Go To トラベル」も始まり、人出や他地域との往来も増えると予想される。個人は手洗い、マスクの着用、3密の回避などの基本的な感染防止策を、事業者は業種別の予防ガイドラインを、改めて徹底したい。

 県は17日、過去1週間の新規感染者が1日平均10人以上となり、独自基準の「警戒期」に入ったと発表した。現在も継続している。ガイドラインを守っていない接待を伴う飲食店などの利用自粛に加え、東京など感染が拡大している地域との不要不急の往来自粛を呼び掛けている。

 感染者の5割超を20~30代が占めている。たとえ本人は無症状や軽症でも、家庭や職場などで高齢者に広がれば、重症者が一気に増えかねない。特に若年層には自らの行動に注意を払ってもらいたい。

 医療体制を巡っては、20日の段階で入院患者は約70人、重症者はゼロで、まだ余裕があると言える。だが、前回感染者が急増した4月中旬には重症者用病床の9割が埋まるという逼迫(ひっぱく)した事態も経験した。

 警戒期入りを受けて県は運用病床数を200床から300床に広げ、うち重症者用については40床から10床増やす作業に着手している。医療人員の確保も含めて、スピーディーな対応が求められる。

 鍵を握るのが検査態勢であることはこれまでと変わりはない。検査数は民間機関などの態勢強化によって最近では1週間に2200件を超え、着実に増加している。

 ただ、国はPCR検査の対象を濃厚接触者やクラスター発生が危惧される集団などに絞っており、拡大が進まない理由と指摘される。隠れた感染者を見逃さないためにも、兵庫独自に対象を広げるなど積極的な検査に踏み込んではどうか。

 全国で緊急事態宣言が解除されて2カ月近くたち、政府は社会経済活動の再開を急いでいる。だが、人の往来が増えれば、感染拡大のリスクも増すと覚悟しなければならない。医療崩壊を招かないよう、一人一人が感染防止策の基本に立ち返り、慎重な行動を心がけたい。

 井戸敏三兵庫県知事は、4連休中の府県を越える移動について、きょう開く関西広域連合の会合で協議する方針を示している。大阪府、京都府の感染拡大も顕著だ。情報を共有し、第1波の教訓も生かして、実効性のある対策を講じてもらいたい。

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