社説

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 新型コロナウイルスの感染拡大で業績が低迷する中小企業への資金繰り支援が本格化している。兵庫県のコロナ関連融資は2月末から約4カ月で5千億円を超え、リーマン・ショック時の年間実績を上回った。

 当初は飲食や宿泊、理美容など、外出自粛の影響で資金繰りに窮した業種が目立った。最近は製造業の申請が相次ぐ。手持ちの仕事をこなした後の新規受注が滞ったためだ。

 緊急事態宣言の解除から政府は経済再生に前のめりだが、コロナ禍が地域経済に及ぼす影響や将来不安はこれから深刻さを増すとみられる。金融面の支援をさらに強化せねばならない。

 県のコロナ関連融資の7割強は実質無利子となっている。民間の融資に、国の負担で自治体が利子補給する。

 当初は政府系金融機関のみで実施したため申請が殺到し、融資実行に時間がかかった。5月からは自治体の保証付き制度融資を活用する形で民間が参画し、現在はほぼ平時と同じ期間で融資できているという。

 兵庫県は融資枠を当初の3600億円から1兆円に引き上げた。全国で感染の再拡大が懸念される中、地域経済を維持するには、さらなる上積みも検討してもらいたい。

 ただ、民間融資への利子補給は地域で異なる。静岡や奈良などは1・9%と最も高く、兵庫は0・7%と鳥取や宮崎と並び最低の水準にある。保証付きで低リスクとはいえ、金融機関のメリットは決して大きくない。

 景気全体の低迷やマイナス金利政策で、コロナ禍の前から地域金融機関は厳しい経営を強いられている。地域経済を守る観点から、前向きな融資姿勢を維持してほしい。

 無利子融資が拡充されてもコロナ関連倒産は減少の気配がなく、全国で300件を超えた。需要低迷で高齢経営者らの事業意欲が鈍る可能性があり、廃業の増加も懸念される。雇用や技術を維持するため、官民で事業を引き継ぐ経営者や企業とのマッチングを急ぐべきだ。

 企業の資金繰りを支える金融機関の存在感はいつにもまして大きい。コロナ後の事業像を企業と描きながら課題を解決できるか。真価が問われている。

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