社説

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 立憲民主、国民民主両党と衆院の無所属2グループは合流して新党を結成する基本合意を交わした。総勢140人超の規模となる見込みで、9月中の結党を目指す。

 100人を超える野党第1党の誕生は、前回衆院選前の2017年10月に「希望の党」合流騒動で当時の民進党が分裂して以来となる。

 第2次安倍政権は多くの問題を抱え、支持率を30%台まで下げながら歴代最長を更新した。それを許したのは「1強多弱」と評される野党の力不足でもある。有権者の現状への不満を政治状況に反映させるには、やはり野党再結集が欠かせない。

 だが、近づく選挙目当ての「数合わせ」や、党内抗争に明け暮れ政権を追われた旧民主党の再来と映れば支持は得られない。小異を捨て、結束して安倍政権に対峙(たいじ)できるかが問われている。

 立民、国民、社民の3党などは昨年9月、衆参両院で統一会派を組み、安倍晋三首相の「桜を見る会」を巡る疑惑や、検察庁法改正案の追及で一定の成果を上げた。

 ところが昨年12月に始まった合流協議では、立民の枝野幸男、国民の玉木雄一郎両代表が合併方式などを巡り激しい主導権争いを繰り広げた。玉木氏は今回の合流に参加せず、同調する議員らと別の新党をつくる構えだ。玉木氏らを含め、他の野党と選挙協力などで共闘できなければ巨大与党への対抗は難しい。

 合流新党は基本政策を巡る隔たりも埋まっていない。綱領案には「原発ゼロ社会を一日も早く実現する」と明記され、基本合意書では綱領案への賛同を結党の条件とした。

 これに電力総連などの支援を受ける国民の議員らが反発し、合流を見送る動きがある。憲法論や消費税減税の考え方などについても十分整理されたとは言えない。

 脱原発と再生可能エネルギーへの転換は有権者の多くが期待する道だろう。憲法観や消費税も国のかたちや生活を左右するテーマである。立場の違いを乗り越え、多くの国民が共感できる選択肢を提示するのが新党の使命と心得るべきだ。

 ただ有権者の目は厳しい。共同通信の最新の世論調査では、合流新党に「期待しない」が67・5%だった。安倍政権のコロナ対応に不満があっても野党への期待は集まらず、合流後も険しい道のりが予想される。

 綱領案には「人を幸せにする経済」「ジェンダー平等」「情報公開の徹底」など安倍政権との対抗軸を意識した文言がちりばめられている。これらを統合する社会像を分かりやすく提示し、実現への具体策を練り上げる。有権者の信頼を得る作業を積み重ねていくことが重要だ。

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