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 兵庫県内で新型コロナウイルスの感染者が初めて確認されてから1日で半年になる。

 累計感染者は8月30日時点で2200人を超え、東京都、大阪府、神奈川県などに続いて全国で8番目に多い。死者53人は9番目である。全国的には、今も感染者が多い地域に位置づけられる。

 県内では第1波の後、5月半ばから約1カ月間は新たな感染者は確認されなかったが、6月下旬から再拡大に転じた。7月は500人超、8月は千人超と急増し、県は「第2波」との認識を示している。

 東京や大阪などと比べれば感染の広がりは緩やかで、拡大のピークは越えたとの見方もある。だが、最近でも20人台の感染が確認される日がある。これは4月に緊急事態宣言が出された時期と同程度であり、油断してはならない。

 警戒を緩めてクラスター(感染者集団)などが発生すれば拡散のスピードは速い。県が、不要不急の移動自粛やイベントの人数制限などを継続する方針を決めたのは妥当な判断だろう。

 懸念されるのは感染者の年齢構成の変化だ。「第2波」は当初30代以下が多かったが、8月30日までの1週間では40代以上が5割以上を占める。無症状や軽症の若者が知らぬ間にウイルスを拡散し、高齢者の感染も徐々に増えているとみられる。家族間の感染対策も徹底したい。

 政府は先週、新型コロナの対策パッケージを発表した。簡易キットを使った抗原検査を1日20万件実施できる体制整備など多岐にわたる内容だ。この秋冬のインフルエンザとの同時流行に備えた措置という。

 兵庫県でも対策が急がれる。PCR検査を巡っては、県が地元医師会と連携し、ドライブスルー方式の検査センターを東播磨と淡路にも新たに設けた。設置済みの神戸、西宮、姫路市と合わせて県内5カ所となり、1日最大約1500件に拡充する方針だ。同時流行はいつ始まるか分からず、迅速に態勢を強化する必要がある。

 病床や宿泊療養施設は現状では余裕があるようだ。重症化の恐れがある中等症者の症状も把握し、万全の確保策を講じてもらいたい。

 大阪府は同時流行に備え、高齢者らを対象にインフルエンザの予防接種費用を無償化する。インフルエンザの重症患者を抑制することで医療体制の逼迫(ひっぱく)を防ぎ、新型コロナ対応に注力しやすくする狙いがある。兵庫県でも検討してはどうか。

 人命と医療を守るため、先手先手で対策を打ち続ける。同時流行という未知の事態を想定した取り組みを進めねばならない。

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