社説

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 立憲民主、国民民主両党などが結成する合流新党の代表選がきのう行われ、立民の枝野幸男代表が国民の泉健太政調会長との一騎打ちを制し初代代表に選ばれた。党名も投票で「立憲民主党」に決まった。

 新党には衆院106、参院43の計149人が参加する。かつての民主党が2009年の政権交代前に持っていた衆院115議席に迫る勢力が再結集し、政権交代に挑む最低限の態勢は整ったと言える。

 ただ、主要メンバーを見る限り、民主党政権時代から離合集散を繰り返してきた顔ぶれが寄り集まった印象はぬぐえない。加えて、安倍晋三首相の突然の辞任表明で自民党総裁選に注目が集まり、すっかり埋没してしまったのも痛手だった。

 7年8カ月に及ぶ長期政権は、新型コロナウイルス対応の迷走や相次ぐ疑惑の発覚などでひずみをあらわにし、政治不信を高めた。それを許してきた野党の責任は重い。

 その自戒を胸に刻み、新党は結束して国民に分かりやすい選択肢を示さねばならない。

 代表選で枝野氏は、新自由主義からの転換と「支え合う社会」の構築を訴えた。国民の小沢一郎衆院議員、無所属の野田佳彦前首相ら実力者に広く支持され、優位に選挙戦を進めた。泉氏は、新党で少数派となる国民出身者の発言力を確保するために擁立された面があり、苦戦を強いられた。

 ただ、消費税の一時凍結といったインパクトのある政策で野党間の選挙協力を進めるという泉氏の主張は検討の余地があるのではないか。

 泉氏が組織の「風通しの良さ」を繰り返し訴えたのも、枝野氏ら一部重鎮によるトップダウン的な党運営への立民内部の不満を代弁したものだ。枝野氏は謙虚に受け止め、開かれた党運営に努めねばならない。

 有権者の反応は冷ややかだ。共同通信の8月末の世論調査では、次期衆院選の比例代表の投票先は自民党が48・1%で、合流新党は15・7%と大きくリードされている。

 アベノミクスに代わる経済政策をはじめ、新党の綱領に明記した「原発ゼロ」、LGBT支援、選択的夫婦別姓制度など自民党が重視してこなかった課題を現実的な政策として練り上げ、対抗軸に掲げるべきだ。

 コロナ禍で疲弊する医療現場や非正規労働者、困窮学生など苦難に直面した現場の声を丹念に聞き、国会に届ける。野党の役割を地道に果たすのが国民の信頼を得る道だろう。

 16日には臨時国会で新首相が選ばれ、今秋の衆院解散・総選挙も取りざたされる。他の野党との選挙協力協議を急ぎ、政治に緊張感を取り戻す好機としなければならない。

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