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 「新聞週間」が始まった。報道の使命と責任を読者とともに考える機会で、21日まで続く。

 情報のデジタル化が進む一方で、「活字離れ」が指摘されている。会員制交流サイト(SNS)が普及し、ネット情報をスマートフォンなどで閲覧する人が増えている。

 「読む」スタイルが急激に変化し、紙に印刷された新聞は「古いメディア」とされる。とりわけ若年層には遠い存在とされがちだ。

 一方で、確かな情報に接することがいかに大切かを、新型コロナウイルスの感染拡大で多くの人が痛感した。「新聞を開く時間が増えた」という声を聞くのは、新聞への信頼度が今も高い証しだろう。

 そのことを肝に銘じ、信頼に応える報道・論評を心がけたい。

 未知のウイルスの世界的なまん延は健康被害をもたらし、社会、経済活動に大きな影響が出た。

 不安の中で人々はメディアにどう接したのか。日本新聞協会広告委員会が全国調査した報告書が公表されている。調査時期は5月下旬の緊急事態宣言が解除された直後だ。

 それによると、新聞に「ほぼ毎日」接するとした人は83%を占め、テレビと肩を並べた。頻度が増えた人は4割で、回答者の7割が新聞を「信頼できる」「やや信頼できる」と答えている。信頼度の高さではトップで、テレビをやや上回る。

 新聞通信調査会が毎年実施している調査でも、新聞は昨年、信頼度でNHKを抜いてトップになった。メディア批判が強まる中で、期待や支持はむしろ高まる傾向にある。

 最近は、ネットで新聞社のニュース記事を読む人が、紙の新聞の読者とほぼ同数とされる。どちらにしても、情報の真偽や重要性を精査するメディアの役割が見直されていると考えていいだろう。

 今年の新聞週間の代表標語には、甲府市に住む80代の男性が応募した「危機のとき 確かな情報 頼れる新聞」が選ばれた。

 コロナ禍ではささいな情報がパニックを招き、トイレットペーパーやマスクが一時店頭から消えた。「お湯を飲んだら新型肺炎が予防できる」などの誤った情報も流れた。私たちは地域の感染状況や予防対策などを伝え、医療従事者などを排除する言動を慎むよう呼びかけた。

 標語が語るように、必要なのは正確な情報であり、それを届けるのが頼れるメディアの役割だ。姫路文学館長で数学者、エッセイストの藤原正彦さんは、「正しく選択してこそ、情報は生きる」と話している。

 これからも読者の「知る権利」にしっかり応え、ともに考え、ともに歩む存在であり続けたい。

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