社説

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 宍粟市雇用創生協議会を巡る委託金不正受給問題で、外部の有識者による検証委員会が、協議会の事業に対する市の関わり方の問題点などを調べた答申書を福元晶三市長に提出した。

 答申は、事業内容への市の理解不足や責任感の欠如などを厳しく指摘し、事案の発生について「市に相応の責任がある」と結論づけた。市と市長は真摯(しんし)に受け止めなければならない。

 同協議会は厚生労働省の実践型地域雇用創造事業を受託し、2018年に就労セミナーなどを始めた。ところが翌年、セミナー内容の不正などが発覚し、委託金の返還が命じられた。加算・延滞金を含めた約2600万円が未返還となっている。

 答申は、協議会設立までの期間が短いことに触れ、市として十分な調査・検証をしたとは言えず「拙速だった」と述べた。補償の問題が生じる可能性も踏まえ、「市は不正な行為が行われていないかチェックすべきだった」とも指摘した。

 協議会会長を引き受けた福元市長については、市長の責任に加え、協議会を運営する会長としての責任もあるとした。

 市と市長の事業への関与がずさんであったと言うしかない。

 今後について、答申は委託金の返還が最も重要な問題とし、「返還を実現するため、不正行為に関わった者に厳正に対処することを望む」とした。

 福元市長はこれを受け、不正の中心になったとされる協議会前事務局長の村岡龍男・元神戸市議に対し、法的措置を取るとした。村岡氏は既に、協議会職員から強要容疑で告訴されている。捜査により不正の全容を明らかにすることが求められる。

 村岡氏は発覚後の協議会総会にも欠席している。まずは公の場で説明をすべきだ。

 懸念されるのは、過疎化に悩む市の活性化、産業振興、雇用創出への影響だ。今回、事業の目的自体に問題があったわけではない。

 宍粟市には豊かな自然を求めて移住する人もいる。新型コロナウイルスの感染拡大で地方への関心が高まる中、その受け皿づくりは急務だ。不正の再発防止に取り組むとともに、市が新たな地域再生策を探り、進めていくことを期待したい。

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