社説

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 公正取引委員会が、全国のコンビニ加盟店約5万7千店を対象に実施した大規模調査の結果をまとめた。

 本部に24時間営業や商品仕入れを強制され、休日は平均で月2回ほどしか取れない。平均年収も約600万円弱と、5年前から2割以上も減っている-。

 明らかになったのは、オーナーとは名ばかりで自由裁量の余地が乏しい店主の苦境だ。各社が規模拡大に走ったしわ寄せが及んでいる。

 本部から店主に対する強制は、優越的地位の乱用を禁じる独禁法に触れる可能性もある。公取委は各社に自主的な点検と改善の結果を報告するよう要請した。今年2月には経済産業省の有識者検討会も、画一的な終日営業の見直しなど店主の負担減少を求めている。

 法令順守は当然のことだが、少子高齢化の中で無理な運営を続ければ店主のなり手が減り、経営に支障を来しかねない。各社はその点も直視した上で、適切な対策を講じる必要がある。

 公取委の調査では、店主に無断で本部に発注手続きを進められたことがあるとの回答が半数近くに及んだ。販売計画を達成するために、店主の意向を無視して商品を押し付けようとする狙いがうかがえる。

 個々の加盟店の利益が減り、ひいては企業全体の体力を奪う。本来は店舗を支援する立場の本部が目先の計画達成に追われているのは、業界全体が曲がり角に立っている証しといえる。

 日本に初めてコンビニが登場して以来、各社は半世紀近くも激しい出店競争や合併統合を重ねてきた。しかし昨年末の店舗数は前年から減少し、新たに店舗を出す余地は少なくなったことをうかがわせる。

 このところコンビニ各社の間に、一部店舗の営業時間短縮や値引き販売の導入が相次いでいる。フランチャイズ契約を見直して、加盟店が本部に支払う経営指導料などを撤廃する動きもある。

 商品の品質やサービスを向上させ、既存店の利益を増やしてオーナーとの共存共栄を図る。業界全体が今、規模拡大ありきの従来の事業モデル見直しを進めている。この歩みをさらに加速させるべきだ。

 都市部から広がったコンビニの店舗網は、山間部や離島にまで及ぶ。24時間営業を生かして災害時の物資提供や高齢者宅への宅配など、生活インフラとしての役割も期待されている。防犯や福祉、子育てなどでコンビニと連携協定を結ぶ自治体も数多い。

 社会の期待に持続的に応えるための経営手法を、各社は模索しなければならない。

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