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 国内で新型コロナウイルスの感染が急拡大している。きのう報告された感染者数は全国で1600人を超え、8月7日の1597人を上回り過去に例のない増加となった。

 北海道は約240人、神奈川県で約150人に達するなど、過去最多となる自治体が相次いだ。独自の警戒レベルを最高の「拡大期2」に引き上げたばかりの兵庫県でも80人を超え、2日連続で最多を更新した。ほかに東京都で約400人、大阪府で約230人の報告があった。

 春の「第1波」、夏の「第2波」に次ぐ、「第3波」が襲来していると認識すべきだ。

 懸念されるのは過去の波よりも拡大のペースが速い点である。以前と比べ社会・経済活動の制限は緩和されており、放置すればさらに急速な感染拡大が起きる恐れがある。

 西村康稔経済再生担当相は「緊急事態宣言を出すような状況ではない」とした上で、感染状況が悪化した場合、飲食店などへの休業要請といった経済活動の制限も必要だとの見解を示した。

 政府の対策分科会は、より踏み込んだクラスター(感染者集団)対策や水際対策の強化などを盛り込んだ緊急提言をまとめた。政府は重く受け止め、先手先手で危機を未然に回避せねばならない。

 厚生労働省に助言する専門家組織座長の脇田隆字・国立感染症研究所長は「Go To キャンペーン」を含む経済活動全般が要因と指摘している。政府は因果関係を否定するが、旅先や飲食店で人と人の接触の機会が増えているのは確かだ。

 感染拡大が深刻な北海道は寒さが影響しているとの見方もあるが、近畿、東海でも感染は拡大している。国と自治体が連携し、地域の感染状況に応じて「Go To」事業の対象除外を検討する時期ではないか。

 第3波の特徴はクラスターが多様化している点だ。医療機関、高齢者施設だけでなく、飲食店や大学の運動部、離島の繁華街などにも広がっている。年齢層も幅広く、早期に見つけにくいクラスターも多い。

 気になるのは外国人コミュニティーの集団感染が目立ち始めていることだ。多言語での情報提供と相談窓口の体制強化などの支援策を早急に進める必要がある。

 一部地域では病床逼迫(ひっぱく)の懸念も高まっている。兵庫県では宿泊療養施設は余裕があるものの、11日時点で確保病床の3割以上が既に埋まっている。最悪の事態を想定した備えが求められる。

 年末年始に向け、一層の警戒が要る。政府は休暇の分散取得を呼びかけている。官だけでなく民間企業も積極的に取り組んでもらいたい。

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