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 新型コロナウイルスの感染拡大が勢いを増している。きのう、全国の新規感染者は2千人を超え、2日続けて過去最多を更新した。兵庫県は最多の132人が報告され、3日連続で3桁となった。

 東京都も最多の534人に達し、感染状況の警戒レベルを最高段階に引き上げた。大阪府も338人など各地で数字が跳ね上がっている。「第3波」の本格局面に入ったと受け止め、社会全体が危機感を持って行動するべきだ。

 県の対策協議会座長の荒川創一・神戸大大学院客員教授は「今が分岐点」と指摘する。このままでは医療崩壊を招きかねないからだ。

 神戸市立医療センター中央市民病院では、11月に入り新型コロナの重症者専用病棟の運用を始めたが、治療には人手が多くかかるため、看護師を中心にマンパワーの不足に直面しているという。他科に応援を求めた結果、治療全体に影響が及び、コロナ以外の重症患者受け入れを制限せざるを得ない状況にある。

 夜間救急で発熱患者の受け入れ先や重症化したコロナ患者の転院先がなかなか見つからないといった混乱も県内各地で起きている。

 県は18日現在、コロナ感染者用に671の病床を確保しており、使用率は5割に満たない。

 しかしこの数字だけを見て「余裕がある」ととらえるのは禁物だ。連日100人ペースで入院者が増え続ければ、早晩、病床は足りなくなる。県は病床数を拡充する方針だが、医師や看護師、検査技師などの医療人材も並行して手当てしなければ治療は行えない。

 感染を拡大させないための対策と並行して、医療人材の確保について国や医師会、看護協会などと連携しなければならない。

 懸念するのは明日から始まる3連休だ。政府の「Go To トラベル」で観光客の増加が見込まれるだけに、国民一人一人の慎重な行動を求めたい。可能なら、旅行の延期や中止も考えてもらいたい。

 日本医師会の中川俊男会長は「Go To トラベル」が感染拡大のきっかけになったと言及し、「我慢の3連休にしてほしい」と国民に呼びかけた。それでも菅政権は感染拡大への警戒を国民に求める一方で「Go To-」見直しに踏み込もうとしない。

 経済を回すことは確かに必要だ。しかし感染拡大で国民の健康や生命を守る医療が崩壊するような事態を招けば、社会機能も維持できず、経済どころではなくなってしまう。

 そのことを政府は認識した上で、感染拡大の抑え込みにあらゆる手段を駆使しなければならない。

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