社説

  • 印刷

 新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化し、安倍晋三前首相や元閣僚の「政治とカネ」の疑惑が相次ぐ中できのう、臨時国会が事実上閉幕した。

 政府の対策をただし、疑惑の解明に努める国会の役割は重大だ。にもかかわらず野党の会期延長要求を拒み、早々に国会を閉じた与党の対応は、自らの存在意義を放棄したに等しい。

 表向きは、政府が2020年度第3次補正予算案の編成を急ぐためというが、コロナ対応の不手際や政権を取り巻く疑惑にふたをしようとしているようにしか見えない。

 コロナ対策では、政府の中途半端な対応が混乱を招いた。

 専門家の指摘を受け「Go To トラベル」の一部見直しを決めたものの、内実は都道府県の判断や個人の自粛任せだ。

 野党4党が共同提出した、知事の権限強化や休業補償を盛り込んだ新型コロナ特措法改正案の論議も進まなかった。本来なら政府が検討し、国会で最優先に審議すべき課題である。

 国会終盤には、安倍前首相側が「桜を見る会」前日に開いた夕食会で、会費の不足分計900万円余りを穴埋めしていた問題が明らかになった。

 補〓(ほてん)を否定し続けた前首相は、事実を確認せずに虚偽の答弁を繰り返したことになる。国会への冒●(ぼうとく)であり、政治的、道義的責任は免れない。資金の出どころや自身の関与などを国会で明らかにするべきだ。

 安倍内閣で農相だった吉川貴盛衆院議員が鶏卵業者元代表から大臣室などで計500万円を受領した疑惑も浮上した。

 安倍政権の官房長官だった菅義偉首相も無関心ではいられないはずだが、首相は他人事のような発言を繰り返している。

 きのう就任以来2回目の会見に臨んだ首相は、自身の説明責任が問われた日本学術会議の任命拒否についても「人事に関しては差し控える」と説明にならない答えに終始した。

 疑問をはぐらかす言葉で、国民に「安心と希望」を与えられると考えているのだろうか。

 首相の不誠実な姿勢をただすのは国会の役割である。与党は閉会中審査で菅首相の出席を求め、国民の疑問と不安に応える責務を果たさねばならない。

(注)〓は「土」の右に「眞」、●はさんずい編に「士」と「四」と「貝」を縦につなげた字

社説の最新
もっと見る

天気(1月18日)

  • 8℃
  • ---℃
  • 40%

  • 8℃
  • ---℃
  • 70%

  • 8℃
  • ---℃
  • 30%

  • 8℃
  • ---℃
  • 40%

お知らせ