社説

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 2019年に表面化した神戸市立東須磨小学校の教員間暴行・暴言問題で、教育学などの専門家でつくる「再発防止検討委員会」が背景分析や再発防止策を報告書にまとめ、市教育委員会に提出した。

 繰り返し強調しているのは、「特殊な例ではなく、どの学校でも起こる可能性がある」との指摘だ。全ての学校と教育委員会に向けた警鐘にほかならない。

 ハラスメント対策に特効薬はない。しかし確かなのは、どのような職場でも起こりうるという前提に立つことが不可欠な点である。

 ごく当たり前ともいえる指摘が重ねられているのは、ハラスメントに対する学校や教育委員会の意識が低いことの裏返しだ。人権意識を問われているに等しい。

 教育現場は改めて「わがこと」として受け止め、猛省せねばならない。ハラスメントに限らず、それぞれの学校が抱える組織的な課題に向き合い、風通しのいい職場にするための歩みを進めてほしい。

 東須磨小学校の事案は、嫌がる男性教員に同僚たちが激辛カレーを食べさせる動画が出回るなどして、社会に大きな衝撃を与えた。加害教員4人のうち2人は懲戒免職、2人は停職と減給の処分を受けた。

 日ごろ接している教員らによる卑劣な行為に、在校児童のショックも大きかった。子どもたちも被害者であり、息の長いケアやフォローが求められる。

 報告書は幅広い再発防止策を提言している。実効性の高いハラスメント研修、地域に開かれた学校づくり、相談・通報窓口の改善、学校の課題に対応した人事配置-などである。できるところから始め、現場の声を反映させながら着実に取り組む必要がある。

 会見した再発防止検討委員会の委員長は、神戸特有の課題として「教育委員会と学校の関係ができていないため、学校が単独で問題に対応しようとする」点を挙げた。

 学校が相談しやすい体制をつくるのは、教育委員会の責任だ。管理職がマネジメント力を発揮し、働きやすい学校づくりを進めるには、教育委員会の支援が重要になる。

 若手教員の比率が高まるなど職員室の風景が変わる中、報告書が「望まれる教員像」の再構築を訴えているのは注目に値する。

 毅然(きぜん)と対処できる生徒指導力も大事だが、対話力や問題を抱え込まずにSOSを出せる力、同僚のSOSを受け止める能力を身に付けることが重要になるとしている。

 多忙化の解消も急務だ。「改革」を実現するには、保護者や地域の理解と協力が一層求められる。

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