社説

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 京阪神の企業経営者らが経済社会のあり方を議論する恒例の関西財界セミナーが、「危機を乗り越えて創(つく)る未来-関西の底力を発揮するとき」をテーマに開かれた。

 大阪や京都を中心に関西は訪日客(インバウンド)需要で盛り上がっていたが、そこにコロナ禍が広がった。大打撃を受けた地域経済の回復に向け、企業人に求められるのは覚悟と行動である。

 例年、京都で開かれるセミナーは、新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言の再発令を受け、初のオンライン開催となった。

 参加者は約540人と過去最高の前年から3割弱の減少となったが、議論を通じ危機感は共有できたのではないか。

 関西3空港を運営する関西エアポートの山谷佳之社長は「訪日客の99%が消失」と報告した。インバウンドの激減と外出自粛は鉄道やバス、宿泊、飲食など幅広い業種に大きな影響を及ぼしている。長期化の懸念が示される一方、感染収束後を見すえた対応が必要との認識で参加者は一致した。

 ITによる経営、事業変革「デジタル・トランスフォーメーション(DX)」や、環境投資で経済成長を目指す「グリーンリカバリー」「脱炭素」…。テレワークの普及に伴う働き方やコミュニケーション方法にも参加者の関心は集まった。コロナ禍にすくむだけでなく、新たな課題に取り組もうとする経営者が多い点は目を引いた。

 参加者から意見や提言が活発に出たのは、クリック一つで発言の機会を得られるオンライン開催ならではといえる。

 前回は、ベンチャーの若手経営者と大手の先輩経営者らが少人数のグループに分かれて討論するなど、マンネリ打破の試みがみられた。

 今後も運営に工夫を凝らし、より活発で意義ある議論につなげてほしい。

 4年後の2025年には大阪・関西万博が開かれる。コロナ禍の先の新しい社会像を示す絶好の機会となる。

 今回共有した危機感を原動力として、60回の節目となる来年の財界セミナーでは具体的な一歩を踏み出したい。

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